お道と臨床と~心づくりの処方箋~

天理教と臨床心理学の視点を含めて,まおという人間が考える日々の通り方や考え方について綴っています.

燃えつき症候群 その2

2006年07月14日 | 心理学・精神医学
バーンアウトの予防についてからですね.前回はストレスモデルで考えるとよいという話までしました.ストレスに対処していく方法をストレス・コーピングといいます.

(1)ストレッサを解消・軽減する方法
(2)ストレスを解消・軽減する方法
(3)ストレンを解消・軽減する方法

(1)とは,ストレスの原因を弱めたり取り除いたりするということです.たとえば上司から要求される仕事が多くてつらいのであれば上司と話し合って仕事の量を減らしてもらうとか,人間関係がストレスの原因になっているのなら人間関係をうまく維持していけるように対人関係スキルを高める訓練をして原因を排除するとか,対策を考えたり計画を立てたりして直接的にストレスの原因に働きかけるものです.今の例で仕事を他の人に頼んだり,人と話すのを避けたりといったことはストレッサは減るかもしれませんが,直接的に解決にはならないので回避的方法となります.

(2)とは,実際に感じるストレスを弱めたり解消したりする方法です.いわゆるストレス発散ってやつです.お酒を飲んだり,友達に愚痴を言ったり,煙草を吸ったり,カラオケやボウリングなど余暇的活動で溜まっているうっぷんを晴らす方法です.これは多くの人が取り組んでいることだと思います.またストレスの閾値を高めることも大切です.同じ出来事でもまったくストレスに感じない人もいればストレスに感じる人もいます.ストレスと感じる刺激の最小値を高めると,状況は変わっていなくとも以前より確実にストレスを感じなくなります.これは,性格や考え方の問題なので,ある種の転機や転回がないと難しいかもしれません.素晴らしい考え方に触れるとか,カウンセリングで自分の考え方のクセに気付いて修正するとかですね.そういう意味では,お道や認知行動療法はオススメです.

(3)とは,ストレスを受けた結果生じてきた症状に対処する方法です.バーンアウトの症状が出てきてしまったであれば,自分自身の生活や仕事を振り返る必要があるでしょうし,上司や友人に相談してこれ以上進行しないようにしなければなりません.疲労にはよく睡眠をとることが対策になるでしょうし,気持ち的に落ち込んでしまったのであれば,話を聞いてもらったり別の見方を与えてもらうことが助けになるかもしれません.仕事にやりがいをみつけられない場合も同様です.最終手段はお薬の処方を受けることです.抗不安薬や抗うつ薬,睡眠薬などを処方してもらえばとりあえずはある程度の機能回復はのぞめます.

以上,前回と合わせてバーンアウトについて簡単に述べてみました.バーンアウトは進行性のストレス症候群です.それゆえ自分自身に対する仕事への取り組み方を日頃から意識しておかないと,知らず知らずのうちに自分の態度が変わっていて,それを周囲から指摘されたり,患者さんや対象者さんのあなたへの態度が以前と変わっていたりということが起こってくるかもしれません.お互い気をつけましょう.

皆さんはどんなストレス・コーピングをしていますか?