エンパイア・ステート・ビルディングに事務所を置くNPO“ヒューマンライツ・ウォッチ”のインタビュー。
ロビーには展望台に向かう観光客の長蛇の列が。
そう言えば数年前、ここの八十階に入居している会社に面接に来ようとしていた女性が電話してきて、真面目な声で「あのー、約束の十時に八十階に着くには、何時にあの列に並べばいいんでしょうか?」と訊いたんだって...
国連やこういったNPOには、一流企業からの高給厚遇引く手あまたを蹴ってまでも、自らのこころざしを追求する(おそろしく)優秀な人たちが働いている。
彼らに会えるのはいつでも嬉しいし、話を聞けるのはこころに油を差してもらっているような気持ちになる。
のだが... 現実はなかなか彼らの話す理想に歩み寄ってはくれない。
スーザン・ソンタグは大江健三郎との対話の中で、
「戦争という手段をとらなければ、武力による侵略をやめさせる道がないという場合に限って、正義の戦争だとみなしうる戦争もある。」
と述べている。
「私は美辞麗句に走る誘惑を振り切って、叡智の声を弁護しているのです。」
相変わらず解りにくいけど...
本当に物事を良くしようと望むのなら。
美しい理想主義を掲げるより、効果をにらんだ、現実に即した具体的な対応を追求するのがより誠実なやり方なんじゃないかといったことでしょうか。
それが原理で動いていない政治に倫理を説いてもしかたがない、か。