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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ナイジェリア:Kanoで爆弾テロ

2013-07-31 19:20:36 | ナイジェリア事情
 28名死亡。ええ,はっきりテロリズムといいますともさ。

BBC Nigeria's Kano city hit by blasts targeting bars 30 July 2013

 ナイジェリア北部,Kano州Kanoでバー等を狙った一連の爆弾テロがあり,28名の死亡が報じられる。
 現場のひとつはキリスト教徒が多く居住する地域。以前もBoko Haramに攻撃されたことがある地域である由。荷物が一個放置され,月曜朝,これが爆発。12名死亡。

 ラマダンの日の夜明けにこんな事件が起こるのでは,ムスリムとしても不安なこと。キリスト教徒地域で起こったことから,激昂した者たちによる復讐行動も起きかねない。

 さらにSabon Gariなる地域の野天ビアパーラーでも爆発。やはりキリスト教徒地域で,現地時間21:30ころ。一発目が聞こえた時点で側溝に入り込んで難を逃れた人物によれば,少なくとも三発の爆発があったとのこと―果物売り氏によれば,計4発。

 病院によれば,少なくとも28名の死亡と15名の負傷を確認したということで,冒頭に挙げた別件の荷物爆弾と併せればわずか一日で40名ほど死亡した計算。

 軍は―爆発は避け得るものでもある,もし公衆が注意深くあれば,公衆が当該地域に”落とされた”爆発物入りのパッケージについて教えてくれれば―と言う。


 今回の件についての犯行声明は特にない模様。しかしBoko Haramは,ムスリムの多いこのナイジェリア北部でイスラム国家を作ろうと近年テロを行ってきたのである―2009年から2000名以上死亡し,最近では学校や民間人をテロの対象にしている。

 迷いなくこれらの行動を「テロ」と称して構わないのは,まず不特定多数の民間人を対象としていることによる。
 そして恐怖で以て対象を縛るところによる。

 軍側の説明がその点を裏から示唆する―「不審な荷物とか,あったら警察に教えてね!」
 不審な荷物とはなにか。例えば旅行者の置き忘れか。なるほど,遺失物として警察に届けるだろうか。
 いや,バス停に置かれていたら,皆の邪魔にならないように脇にどけるくらいは,一般人もするかもしれない。―すると,どかん,とくるかもしれない。
 水たまりの水にぬれないように,泥跳ねを避けるために,少し高めのところに置き,以て視認性を高めようとかするかもしれない―すると,どか(ry

 ―およそその主人のいなさそうな荷物があれば,すべて10人からを殺すために仕掛けられた爆弾と疑わねばならないほどに,それほどに人間不信の状況に人々を叩き落す。

 目撃者・生存者証言にcanal/drainに飛び込んだ,というのがある。そのまま3発の爆発音を聞いたという。つまり,彼は,負傷者のうめき声をその場で聞かざるを得なかったのだ。無事に生き延びるには,たとえ友人・知人が死にかけて助けを求めていようとそのまま見捨てよと,テロリストはそのように語りかけるのだ,その合計4連発の爆弾で。
 
 危難に陥った者を助けよと,大抵の宗教・倫理規則は言うはずだが,それをまるっと「放棄せよ」と語りかけるのだ,連発爆弾で。

 これを恐怖政治だのテロリズムとか言わずに何を呼ぼうか

 と書こうとしたら,もっとひどいところもあるなあとかすぐ思いつけるあたりが,この世界の悲惨さであるなあ。



 しかし冒頭のAt least 28 are people have been killed in a series of explosions that targeted bars in the northern Nigerian city of Kanoは流石に構文が壊れているのではないかと。

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