中央日報 韓国大統領外交安保特別補佐官「いまの日本は高圧的で一方的」 2019年09月15日09時30分
「文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官は14日、「韓日ではかつては相手の立場になって考える気持ちがあったが、今回の日本は高圧的で一方的だ」と批判した」
文正仁氏は、なんというか高官にあるまじき、隠しておかねばならない本音をばらっと喋ってしまう悪癖があるようで、なんというか…扱いに困る。
それでも有用な発言はするのであり、以下の発言は先方の認識を伝えるものかと思しい:
「文特別補佐官は現在の韓日関係悪化の背景について、(両国)指導者間の不信もある。歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相に対し、文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」と明らかにした」
この「歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相」というのには、「事実誤認である」というのがこちらの見解だろう。ここでボタンがかけちがっている、あるいは、文正仁氏のごときは、己がそうである像を相手方に投影している。相手方についての直接的な理解を避けている、と評価されるのではないか。
日本側の要請は「条約を守れ」「政府間合意を誠実に実行せよ」であろう。裏の希望はともかく、表向きはそういっている。なので、「表」を完備してしまえば、日本側は文句を言えない理屈である。
…しかし、本当にこの中央日報の記事は正確な日本語訳であるのだろうか。「歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相に対し、文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」は、安倍・文がまるっと逆であればほんとすっきり理解できるんだが。
「文特別補佐官は続けて「文政権は朴氏弾劾の民意から生まれた。こうした法的、政治的な敏感さを日本が少しでも理解し、特別法制定など解決に向けて協力すれば『共通の代替案』を見いだすことができると思う」と主張した。合わせて過去の問題をめぐり日本では「謝罪疲れ」、韓国では「心からの謝罪はなかった」との認識が強いことに対し、「それが問題の本質」と指摘した」
ということで、韓国側、すくなくとも大統領側近の認識としては「文政権は朴氏弾劾の民意から生まれた。こうした法的、政治的な敏感さを日本が少しでも理解」して、文政権に配慮してくれたらよかったのに、というものであることがわかる。要は甘えである。
既に慰安婦問題で、支持層剥落の危険をおかしてまで朴政権に言い値で妥協した日本政府に、『甘え方が足りなかったのでもっと甘えます』と押しかけられてもだな、あの、ちょっと。
また「過去の問題をめぐり日本では「謝罪疲れ」」「との認識が強いことに対し」、そうした日本世論の雰囲気を受ける安倍政権に「文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」となると、なにに疲れているんだ、という突込みができそうだ。謝罪申し入れを拒否するのに疲れるわけか、と。
…慰安婦合意破棄こそ重大問題だと思うよ、ぼく。
あれは、謝罪要求A(「10億円払え」)に対して満額回答(「おk、10億払ったよ」)したわけであって、これを元手に次の謝罪要求B(「首相が出向いて、こっちで和解会見でもすべえや」)などに結び付けるべきところ―それは何年後になるかは分らない。だがじっくり時機を醸成していくべきものだ。なにしろ米大統領が広島にくるとか、いったい何年かかったことか―、政権が替わったらあっさり反故、満額回答はなされなかったことにするからな、と、不可逆的合意であったはずのものが差し戻し。
これは満天下に示されてしまったのだ。そこで韓国政府の信頼性がおちたところでレーダー照射事件等あったりして、そりゃあ…可能性だけ言えば自衛隊側の自作自演の可能性だってあるかもしれないが、公開されたデータから言っても、どっちに信頼がおけるかというのは…明らかだ。韓国側の、あの投げやりなB級映画以下のプロパガンダ映像のひどさといったら…人間、こうまでトンチキになれるのだという貴重なサンプルだった。
…無理だよ。いろいろ。
中央日報 韓国を熱烈に探求した安倍首相、なぜ韓国に背を向けたのか(1) 2019年09月16日07時53分
冒頭、
「2017年秋、李明博(イ・ミョンバク)元大統領に「2012年8月になぜ独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問したのか」と尋ねたことがある。するとこのような言葉が返ってきた。
当時、民主党政権の野田佳彦首相が慰安婦問題について「法的に終わった問題」という立場で一貫してあまりにも非協調的だったため、態度の変化を促すために独島を訪れたということだ」
この段階で先方の外交交渉の危うさが見て取れる。『お前が妥協しないなら、別件を取り上げてそっちで強硬姿勢を示してやる。それで緊張が高まるが、それを軟化させるのはお前の仕事だ』。そんな行動様式なのだと理解するなら、今回のGSOMIA破棄についてアメリカに訴え出ているのも同様の理屈と見える。
ちょっとここに引用を差し挟む:
とまあ,こういう評価になるかなあと。以下本題に戻る:
「李元大統領頭の中の安倍氏は融通性のない野田氏とは違い、韓国に対する理解度がかなり高い政治家だった。安倍首相が官房長官当時に出した本には「日本が過去に対して謙虚に行動して礼儀正しく未来志向の態度を見せれば、韓日関係は良い方向に発展するだろう」という内容もある。
それだけではない。官房長官を経て2006年9月に超高速で首相に就任した安倍氏は10月、就任後の最初の海外訪問国に中国と韓国を選んだ」
「安倍首相は再執権した2012年12月以降、自身の支持勢力である右翼の反対にもかかわらず、朴槿恵(パク・クネ)政権と慰安婦合意まで締結した。
昨年5月に東京で開かれた韓日中首脳会議では就任1年を迎えた文在寅(ムン・ジェイン)大統領のためにケーキと登山用望遠鏡を贈った。
韓日慰安婦合意の亀裂が生じ始めた時期だったが、当時まで安倍首相の態度はまだ維持されていた。わずかな譲歩もない現在の態度とは違っていた」
反韓派みたいな人からだろう、安倍こそ親韓の売国奴だというコメントは、まあ多少はみたことがある。これはこれで、まあ本来は韓国に対する個人的愛情等々は一切なかったのだとしても、政略的にそんなポーズを見せていただけにしても、韓国政府にとってはわりと重要な資源であっただろうところ、その程度を読み違えてしまったものか。
中央日報 韓国を熱烈に探求した安倍首相、なぜ韓国に背を向けたのか(2) 2019年09月16日07時54分
「韓日関係に詳しい東京の情報筋は「かつて安倍首相が韓国に好感を表示したのは政治的目的のためだった」とし「韓国に関心を見せれば自身の右翼イメージが緩和すると考えた」と話した」
「韓国に対する安倍首相の関心には最初から誠意がなく、核心の外交戦略として米国・インド・東南アジアを重視するインド太平洋構想を掲げながら韓国の価値はさらに落ちたという解釈だ」
この誠意なるものの内容は問題となろう。韓国に対する無前提無限定無私の愛情といったものでありはしないか、と。
「--徴用判決以降、安倍首相が韓国に背を向けたということか。
「判決後にも韓国に対する期待が残っていた。裁判所の判決と関係なく『徴用問題は1965年の協定で解決した』という過去の政府の判断を維持するというシグナルが伝えられたからだ。しかし今年5月にそうでないことを知り、日本政府内の雰囲気が変わった。首相も同じだった」
このように日本政府の関係者は「韓国に関心が多かった安倍首相はどうにかして韓国とうまく付き合おうとしたが、慰安婦財団の解散に続く徴用判決、特に今年に入って韓国政府が請求権協定を尊重する考えがないということを知り韓国に背を向けた」と主張する」
…まあね、私としても理解はするわけなんですよ、憂国騎士団じみた連中が跋扈した時代がつい最近まであった国であるわけで、とにかく改革なり旧弊打破・清算の必要があること、努力しなければならないことは分るんです。ただまあ、そのための政治的資源を搾取される側となると、ええかげんにせえよ、という世論だって形成されるでしょうが、とも納得するわけなのです。
…うん…いちばん気楽にできる国だというのも理解するんですけどね。中国にやってもコワいし、ロシアに対してやるのもなんだし、北朝鮮相手にするのは同胞との連携の夢的に難だし、米帝様に直接やらかすのも大変マズイ。となると、日本との関係から資源を調達するのがもっとも危険が無い、というのは理解するんです…。
でもねえ、もうすこし分り難く、抑制的であるべきでしょうねえ…。
「文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官は14日、「韓日ではかつては相手の立場になって考える気持ちがあったが、今回の日本は高圧的で一方的だ」と批判した」
文正仁氏は、なんというか高官にあるまじき、隠しておかねばならない本音をばらっと喋ってしまう悪癖があるようで、なんというか…扱いに困る。
それでも有用な発言はするのであり、以下の発言は先方の認識を伝えるものかと思しい:
「文特別補佐官は現在の韓日関係悪化の背景について、(両国)指導者間の不信もある。歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相に対し、文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」と明らかにした」
この「歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相」というのには、「事実誤認である」というのがこちらの見解だろう。ここでボタンがかけちがっている、あるいは、文正仁氏のごときは、己がそうである像を相手方に投影している。相手方についての直接的な理解を避けている、と評価されるのではないか。
日本側の要請は「条約を守れ」「政府間合意を誠実に実行せよ」であろう。裏の希望はともかく、表向きはそういっている。なので、「表」を完備してしまえば、日本側は文句を言えない理屈である。
…しかし、本当にこの中央日報の記事は正確な日本語訳であるのだろうか。「歴史問題が解決されないと韓国との協力は難しいと主張を繰り返す安倍晋三首相に対し、文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」は、安倍・文がまるっと逆であればほんとすっきり理解できるんだが。
「文特別補佐官は続けて「文政権は朴氏弾劾の民意から生まれた。こうした法的、政治的な敏感さを日本が少しでも理解し、特別法制定など解決に向けて協力すれば『共通の代替案』を見いだすことができると思う」と主張した。合わせて過去の問題をめぐり日本では「謝罪疲れ」、韓国では「心からの謝罪はなかった」との認識が強いことに対し、「それが問題の本質」と指摘した」
ということで、韓国側、すくなくとも大統領側近の認識としては「文政権は朴氏弾劾の民意から生まれた。こうした法的、政治的な敏感さを日本が少しでも理解」して、文政権に配慮してくれたらよかったのに、というものであることがわかる。要は甘えである。
既に慰安婦問題で、支持層剥落の危険をおかしてまで朴政権に言い値で妥協した日本政府に、『甘え方が足りなかったのでもっと甘えます』と押しかけられてもだな、あの、ちょっと。
また「過去の問題をめぐり日本では「謝罪疲れ」」「との認識が強いことに対し」、そうした日本世論の雰囲気を受ける安倍政権に「文在寅(ムンジェイン)大統領は疲れを感じ、諦めかけているようだ」となると、なにに疲れているんだ、という突込みができそうだ。謝罪申し入れを拒否するのに疲れるわけか、と。
…慰安婦合意破棄こそ重大問題だと思うよ、ぼく。
あれは、謝罪要求A(「10億円払え」)に対して満額回答(「おk、10億払ったよ」)したわけであって、これを元手に次の謝罪要求B(「首相が出向いて、こっちで和解会見でもすべえや」)などに結び付けるべきところ―それは何年後になるかは分らない。だがじっくり時機を醸成していくべきものだ。なにしろ米大統領が広島にくるとか、いったい何年かかったことか―、政権が替わったらあっさり反故、満額回答はなされなかったことにするからな、と、不可逆的合意であったはずのものが差し戻し。
これは満天下に示されてしまったのだ。そこで韓国政府の信頼性がおちたところでレーダー照射事件等あったりして、そりゃあ…可能性だけ言えば自衛隊側の自作自演の可能性だってあるかもしれないが、公開されたデータから言っても、どっちに信頼がおけるかというのは…明らかだ。韓国側の、あの投げやりなB級映画以下のプロパガンダ映像のひどさといったら…人間、こうまでトンチキになれるのだという貴重なサンプルだった。
…無理だよ。いろいろ。
中央日報 韓国を熱烈に探求した安倍首相、なぜ韓国に背を向けたのか(1) 2019年09月16日07時53分
冒頭、
「2017年秋、李明博(イ・ミョンバク)元大統領に「2012年8月になぜ独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問したのか」と尋ねたことがある。するとこのような言葉が返ってきた。
当時、民主党政権の野田佳彦首相が慰安婦問題について「法的に終わった問題」という立場で一貫してあまりにも非協調的だったため、態度の変化を促すために独島を訪れたということだ」
この段階で先方の外交交渉の危うさが見て取れる。『お前が妥協しないなら、別件を取り上げてそっちで強硬姿勢を示してやる。それで緊張が高まるが、それを軟化させるのはお前の仕事だ』。そんな行動様式なのだと理解するなら、今回のGSOMIA破棄についてアメリカに訴え出ているのも同様の理屈と見える。
ちょっとここに引用を差し挟む:
「ゴールポストを動かす」どころか、「サッカーから野球にゲームを勝手に変えて、その方が道徳的に正しい」と言い出した局面だってじっちゃんが言ってる。
— 浅羽祐樹@『知りたくなる韓国』7/11刊行 (@YukiAsaba) 2019年8月22日
とまあ,こういう評価になるかなあと。以下本題に戻る:
「李元大統領頭の中の安倍氏は融通性のない野田氏とは違い、韓国に対する理解度がかなり高い政治家だった。安倍首相が官房長官当時に出した本には「日本が過去に対して謙虚に行動して礼儀正しく未来志向の態度を見せれば、韓日関係は良い方向に発展するだろう」という内容もある。
それだけではない。官房長官を経て2006年9月に超高速で首相に就任した安倍氏は10月、就任後の最初の海外訪問国に中国と韓国を選んだ」
「安倍首相は再執権した2012年12月以降、自身の支持勢力である右翼の反対にもかかわらず、朴槿恵(パク・クネ)政権と慰安婦合意まで締結した。
昨年5月に東京で開かれた韓日中首脳会議では就任1年を迎えた文在寅(ムン・ジェイン)大統領のためにケーキと登山用望遠鏡を贈った。
韓日慰安婦合意の亀裂が生じ始めた時期だったが、当時まで安倍首相の態度はまだ維持されていた。わずかな譲歩もない現在の態度とは違っていた」
反韓派みたいな人からだろう、安倍こそ親韓の売国奴だというコメントは、まあ多少はみたことがある。これはこれで、まあ本来は韓国に対する個人的愛情等々は一切なかったのだとしても、政略的にそんなポーズを見せていただけにしても、韓国政府にとってはわりと重要な資源であっただろうところ、その程度を読み違えてしまったものか。
中央日報 韓国を熱烈に探求した安倍首相、なぜ韓国に背を向けたのか(2) 2019年09月16日07時54分
「韓日関係に詳しい東京の情報筋は「かつて安倍首相が韓国に好感を表示したのは政治的目的のためだった」とし「韓国に関心を見せれば自身の右翼イメージが緩和すると考えた」と話した」
「韓国に対する安倍首相の関心には最初から誠意がなく、核心の外交戦略として米国・インド・東南アジアを重視するインド太平洋構想を掲げながら韓国の価値はさらに落ちたという解釈だ」
この誠意なるものの内容は問題となろう。韓国に対する無前提無限定無私の愛情といったものでありはしないか、と。
「--徴用判決以降、安倍首相が韓国に背を向けたということか。
「判決後にも韓国に対する期待が残っていた。裁判所の判決と関係なく『徴用問題は1965年の協定で解決した』という過去の政府の判断を維持するというシグナルが伝えられたからだ。しかし今年5月にそうでないことを知り、日本政府内の雰囲気が変わった。首相も同じだった」
このように日本政府の関係者は「韓国に関心が多かった安倍首相はどうにかして韓国とうまく付き合おうとしたが、慰安婦財団の解散に続く徴用判決、特に今年に入って韓国政府が請求権協定を尊重する考えがないということを知り韓国に背を向けた」と主張する」
『1987、ある闘いの真実』のクオリティと出演陣を見たら、ただのプロパガンダ映画だとは思えないはずだ。政権の顔色をうかがって表現活動をする人たちが多い中で、隣の国のあの映画は、とても輝いて見える。日本のテレビのスタジオでなんとなくディスる連中とは雲泥の差。映画を観れば一目瞭然だ。
— 芦塚あきひろ (@ioi8association) 2019年9月16日
韓国の文在寅大統領が、家族の不正疑惑を拭えない曺国氏を法相に就けてまで検察改革にこだわる背景を考えるには、民主化運動での検察との死闘への理解が不可欠ーということから映画『1987、ある闘いの真実』監督インタビュー↓が読まれています。アップリンクで緊急上映も。https://t.co/sbrUxWzVCH
— Erika Toh (藤えりか) (@erika_asahi) 2019年9月12日
…まあね、私としても理解はするわけなんですよ、憂国騎士団じみた連中が跋扈した時代がつい最近まであった国であるわけで、とにかく改革なり旧弊打破・清算の必要があること、努力しなければならないことは分るんです。ただまあ、そのための政治的資源を搾取される側となると、ええかげんにせえよ、という世論だって形成されるでしょうが、とも納得するわけなのです。
…うん…いちばん気楽にできる国だというのも理解するんですけどね。中国にやってもコワいし、ロシアに対してやるのもなんだし、北朝鮮相手にするのは同胞との連携の夢的に難だし、米帝様に直接やらかすのも大変マズイ。となると、日本との関係から資源を調達するのがもっとも危険が無い、というのは理解するんです…。
でもねえ、もうすこし分り難く、抑制的であるべきでしょうねえ…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます