大ボスに(内密に)本調査の件申告。正式な(あー,まあその,専用の予算が出るとかいう意味での)プロジェクトではないにせよ,私としては業務扱いと理解する。まあこの間からそのような扱いでやってますが。
朝日新聞 焼き肉店の仕入れ先、4月14日受注肉が汚染か 食中毒 2011年5月20日5時12分
「ユッケに用いられた肉の卸業者「大和屋商店」(東京都板橋区)が4月14日に受注した肉が腸管出血性大腸菌O(オー)111に汚染されていた疑いが強いことが捜査関係者らへの取材でわかった」
16日入荷の肉が怪しいということはすでに推測されているところ(さしあたり「焼肉屋さんの食中毒の件5:汚染の大本はどこ/いつ?」,これ以前の新聞記事にも,焼き肉店自身がその旨述べていたことがあるはず)。
「死者3人が出た砺波店(富山県砺波市)では、4月21~23日の来店客に食中毒患者が集中したが、重症者のなかで最も早い来店日は19日だった。それ以前で同店に最後にユッケ用の肉が入荷したのは16日で、高岡駅南店(同県高岡市)でも16日に届いた翌日の17日の客から重症者が出ていた」
「一方、神奈川県で唯一食中毒患者が出た横浜上白根店(横浜市)では、同月19日に来店した女性(19)が重症で、直近の入荷日は15日だった」
輸送の時間を勘案すれば,14日受注(発送?)の肉がアレであったのでは,というわけである。この日だけとなると―大和屋商店が「火元」である場合,菌混入(汚染)は非常に不幸な「事故」であった可能性がある―
朝日新聞 卸業者と市場から菌出ず=生肉食中毒で調理器具鑑定―捜査本部 2011年5月20日13時6分(焼き肉店集団食中毒:卸元まな板からO111検出されず 毎日新聞 2011年5月20日 東京夕刊
「チェーン店に肉を卸していた「大和屋商店」(東京都板橋区)と、同商店が仕入れ先としていた川口食肉地方卸売市場(埼玉県川口市)、さいたま市食肉中央卸売市場のまな板などを専門機関が鑑定したところ、病原性大腸菌O111は検出されなかったとする結果が出ていた」
読売新聞 ユッケ食中毒、卸と市場からO111検出されず 2011年5月20日11時52分 読売新聞
「捜査本部は今月11日、大和屋を業務上過失致死容疑で検証し、肉の加工場や従業員ロッカー、トイレなどから検体を採取するとともに、まな板や包丁を押収していた。さいたま市の食肉卸売市場についても実況見分したが、いずれもO111は検出されなかったという」
それどころか卸売市場まで汚染が確認されない―「シロ」である。
どこが「クロ」だろうと,常態的に汚染されていたはずがない,ということになる。
あーまあ,事件後即座に一切合切を消毒しまくって痕跡を消したのだ,とか主張する余地はあるが,流石に警察さんが入る予定のあるところでソレやったら心象的に完全ブラック認定ですし…。こういう手段を誰か取ったに違いない!と主張する向きは,その場合,警察さんが『なんかあからさまに不自然に雑菌が滅菌されてある状況』に気付かない無能だと全開でぶちまけることになるので非推奨解釈。
あと,もし「不自然な状況」があったとしても,警察さんは情報をまるまんま垂れ流ししないでしょうしね。
読売新聞 生肉食中毒 全チェーン店検体採取へ 2011年5月20日(福井版)
「富山、福井などの合同捜査本部が19日に実施した、いずれも患者が出ていない県内2店舗の実況見分。この日は、金沢市の増泉店でも見分を実施しており、合同捜査本部は同チェーン全店20店舗で、菌の検体採取を進める方針」
全店で調査。
読売新聞 生肉食中毒受け調査 2011年5月17日 読売新聞(新潟版)
「また、問題なしとされた焼き肉店「味楽」(新潟市中央区)では同日―16日―会津賢治店長(40)は調査後、取材に対し「(集団食中毒事件では)値段の安さを追い求めた結果、当然守られるべき食の安全が守られなかったのではないか。震災の影響もあるかもしれないが、事件後は売り上げが2割ほど落ち、打撃を受けた。改めて、安心して食べてもらえるよう気をつけていきたい」と話した」
碌でもないことをするのは簡単だが,その結果,焼き肉業界全体で非常な損害をうけたのである。不正をすると,結局,階級的利害に関わる。そもそも仲間に対する愛情・義務の上でもすべきではなかったのである。そう言う意味でひとのみち―倫理といってもいいし仁義といってもいいが―を守っていればよいだけのことであった。
なのに”厚労省にきちんと規制して頂きたいッ! いやッ! そうするべきだッ!!”とその点の責任をまるっと当局の規制に投げるってぇのは,自分たちに自治能力―自律する能力がないのだと宣言するわけなのだが,まあ分ってそうではないな,うん。
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