空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

フェミニズム話:戦時の女性の振る舞いの例から

2019-05-24 23:25:55 | 本・論文・研究メモ




 人権を無視した言い方をすれば、そのう、貴重な資源を独占的に所有しているわけではあり―俗な言い方をすれば「女の強かさ」、国家の興亡から見れば「敗戦国の女性の惨めさ」みたいなのが―みられる理由の一端では…ないかなあ、という感。

 中国戦線、敗戦後の姿から

 湘江は中国兵を満載した、何百隻の船舶が下航し、舷もふれあうばかりに輻湊していた。日本兵の私たちをみつけて、指をさし、口笛を吹き、大声で何事か喚いたり、笑い合って下って行った。
 中には明らかに、日本か朝鮮婦人かと思われる和服姿、なまめかしい長襦袢らしいしどけない姿で中国兵に囲まれているのが見られた。すれ違うとき、声をかけたが、顔をそむけて応えようとはしなかった。
(小平喜一『湖南戦記』光人社NF文庫、p.211)」

 これが日本軍が勝っている間は、この小平氏をも(子連れらしい)女がハニトラしようとした例なんてのがある(pp.78-80)。夫が兵隊にとられてしまった、どうだろう、日本は負けるんだし、私と逃げては…?と。

 実際、そのまま逃げて中国人になっちゃうルートは実際ありえたのじゃないかと思われ(連れ出してはいちいち殺して…なんてのと考えるには、あまりに効率が悪い。寧ろ有用な労働力として取り込もうとした、というほうが経済的だ)、これは”戦時の一般民衆女性の強かさ”なんていわれるようなもんだろう。
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