この言説をみて既視感があるなと思ったら、かつて立花隆氏が「田中角栄研究」を発表し、世間や政界が震撼した時、政治部の新聞記者たちが「あんなのは誰でも知ってること。それをまとめただけじゃないか」といってけなしたことを思い出した。だったら、なぜあんたたちは書かなかったんだ?
— もと考証ズHIRAYAMA (@HIRAYAMAYUUKAIN) 2017年6月22日
で、その「売り方が上手かった」ってのは、潜在的に存在していた顧客のニーズに沿ったやり方だった訳よね。
— 怒羅衛門(表) (@doraephoneomote) 2017年6月22日
「そんなの学会じゃ常識」ってことは、あんたらもその商品取り扱おうと思えば出来たんだろ?つまり流通業者としてマーケットに参加しようと思えば出来たんじゃん。
構想力という概念の存在をお忘れではないか。個々の知識を知ってはいても、それをあるパッケージに纏める能力は、これはまた別の能力、専門知識…を要する。
例えば、高校「現代社会」の教科書あたりをひらいてみればいい。書いてあることは、”誰でもしっていること”である。ちょっと参考書をひらけば、いくらでも追加する情報・解説文は手に入る。
「はっはっは、この著者ども、こんな重要なことを落としている」
「こんなんだったら、オレのほうができる」
というようなことを、ネット上の大家のセンセイたちは2chのようなのに書くわけなのだろうが、とはいえそういう壮語の数に見合うだけの成果はでているまい。
なぜ出来ないのか? それは、諸情報をとりまとめてあるひとつの形に纏め上げる構想力を(決定的に)欠いているからだ:
『応仁の乱』がすごいのは、応仁の乱と言うだれもが知ってるけど、多くの人がよく理解できていない事件を、最新の学説によって通俗的な解釈を修正し、かつ全体像を可能な限り理解しやすい形で再構築してい点だと思おうんだが。
— 一酸化炭素/carbonmonoxide (@issankatanso) 2017年6月22日
ということなのである。或いは
「下手な質問をすると下手な答えしか返ってこない。上手な質問をするとノーベル賞がついてくる」とは名大教授でもあった森博嗣氏の言。理工学の研究を「自然への質問」に見立てる発想に膝を打った覚えがある。
— 魔法使えないF (@foolon2011) 2017年7月31日
というのも参考になる(戒め)。
「学会では当たり前に語られていることが書かれているだけで、特に新鮮味はない」って、学界では当たり前のことを我々一般の素人が知る機会はほんとになかなかないわけで、新書は買える値段だしほんとにありがたいよ!!我々一般の素人は何を読んだらいいのかさえわからんことがほとんどだからさあ…
— トキメキエクスプレスくるくる (@caracolcaracole) 2017年6月22日
ということで、学術的内容でも一般読書界に売れる、という久しぶりの実証例だったということでよいのではないか。
前川喜平事務次官の貧困調査について、フランス書院の名前を絡め揶揄するツイートが見受けられます
— 美少女文庫@7月刊予約開始! (@bishojobunko) 2017年7月11日
前川氏は文部官僚でありマスコミでは聖人と称えられる方です
それに対し弊社はエロ出版社に過ぎずその中で作家達は懸命に官能小説を書いてます
援交オヤジが出版できる程弊社の格は低くございません
さすがプロだ。ちがうなあ。
こういう気概のある出版社さんたちによってこそ、出版の質は維持されるのだろうなあと。
…いや揶揄やなんかでなく。
このメモの最後に:
僕は無数にある事実からどの事実を選択して理論を組み上げるか、その理論を組み上げた人が何ゆえそれらの事実を選択したのかに深い興味がある。僕は洞察力ある本が読みたい。事実を無数に集めても真理にたどり着く頃には人類終わっているように思う。ハンナ・アレントが好き。
— オッカム (@oxomckoe) 2017年10月12日
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