時系列的に事件の経過をまとめてみよう。以下鉤括弧つき青字は引用:
報道では「少年らは以前から男性とトラブルが絶えず」(スポーツ報知)などとあるが,そのトラブルなるものの(事件にかかわる限りでの)発端はホームレス男性が少年らの喫煙を注意したことにあった:
「2人は以前、男性にたばこを吸っているところを見つかり、「警察に言うぞ」と注意された。その直後、近くをパトカーが通りかかったため、2人は男性が警察に通報したと思い込んだ」(読売新聞)。
無実の逆恨みといえようか。よしこのホームレス男性の通報であったとしても,何れにせよ逆恨みであることは間違いない。
これが腹立ちの第一因と思われ(少なくとも,そのように思われるように報道がなされていると思われ),少年らは以後,この男性へ投石するようになった。男性は投げ返すことがあったという。
「石を投げたら追い掛けられたり、タバコを吸っていて注意されたりして許せなかった」(神戸新聞)
現場は「尼崎市南武庫之荘9の武庫川河川敷」。犯行は3月29日午前0時50分ごろ。「犯行直前、ライター用オイルを数本万引きし、火をつける前にまいた」」(読売新聞)とあり,ここで窃盗罪・放火罪。
この際,「テントに石を投げ、中で人が動いたのを確認してから火をつけた」(朝日新聞)。燃え移り,その結果焼け死んでも構わないと思った―という供述は各社に共通。
動機については煙草を注意されたことへの逆恨み,その他,尼崎北「署では「(少年2人は)喫煙していたところを警察に通報されたと邪推して、通報するのはコイツ(男性)だけやと、いろんな憂さ晴らしもあってやったようだ」と動機について説明」(スポーツ報知)。スポーツ新聞は多少,「品」がなく,発表の警察官の言葉をそのまま書いているようで寧ろありがたい。
火がつくと,「別の野宿者が火に気付き」(毎日新聞),この警告があったか男性は逃げて無事。不幸中の幸いというべきか,このためこの件では殺人未遂。
こののち少年らは「2人はこの事件の約1時間後、現場近くの市営住宅に侵入し、消火器をまき散らしたとして、建造物侵入などの容疑で逮捕され、家裁送致されて観護措置」(MSN産経)。つまり深夜2時頃の家屋不法侵入,窃盗,器物損壊。
この取調べのなかでホームレス襲撃の関与を認め,逮捕(14歳,同じ中学の3年2名)。なお尼崎北「署員はこの日、被害に遭ったホームレスの男性に犯人逮捕を知らせに行ったが、不在だった」(スポーツ報知)とのこと。
ある種,ホームレスの人々は「帳はずれ」のようなもので,基本,”いないひと”,”ふつうでないひと”扱いであって…この意識から”ひとでないなにか”とされてしまうものであろうか。時折(無軌道な若者によって)”削除”されてしまう。
まあその,確かに納税だの勤労だのといった「真っ当な大人」の義務から離れた,言ってみれば日常世界から削除された人たちではあって。日常世界,「普通の世界」「真っ当な世界」に属する者たちからは卑賎視されるんではあろう。
時にこの若者たちは深夜徘徊してる段階で,既に『マージナルな状態にある若者』から相当「あっちがわ」にイっちゃってるが,殺人未遂・(人の住んでるところへの)放火,窃盗・不法侵入・器物損壊と重大犯罪のフルハウスやらかしたわけだが,どきっぱりと「真っ当でない」世界に堂々好き好んで突入した,そんな自覚はあっただろうか(反語を予定した問いかけ)。
読売新聞 尼崎の野宿者襲撃、「喫煙を通報されたと思い」…中3供述 2010年5月1日 読売新聞
スポーツ報知 中3男子2人がホームレス狙いテントに放火 2010年5月1日06時02分 スポーツ報知
神戸新聞 野宿者のテント放火 殺人未遂で中3の2人逮捕 2010/04/30 23:17
朝日新聞 野宿者のテントに火、中3男子2人に殺人未遂容疑 尼崎 2010年4月30日20時28分
毎日新聞 殺人未遂:野宿者テントに放火 容疑で中3男子2人再逮捕--兵庫・尼崎 【加藤美穂子】 2010年5月1日 東京朝刊
MSN産経 ホームレスのテントに火つけた中3生2人逮捕 尼崎 2010.4.30 19:31
なお野宿者ネットワーク(制作および制作担当・生田武志) TOP PAGEの野宿者に関する各種調査・資料へのリンクに野宿者襲撃・年表 2000~があってそこそこ便利。事例の集積メモにとどまり,実際に資料として使う際には各個に(ソース探索などの)調査が必要となろう点は,―ま,ほんとに使うんなら,そのっくらい自分でやれ,とは正論かな。
報道では「少年らは以前から男性とトラブルが絶えず」(スポーツ報知)などとあるが,そのトラブルなるものの(事件にかかわる限りでの)発端はホームレス男性が少年らの喫煙を注意したことにあった:
「2人は以前、男性にたばこを吸っているところを見つかり、「警察に言うぞ」と注意された。その直後、近くをパトカーが通りかかったため、2人は男性が警察に通報したと思い込んだ」(読売新聞)。
無実の逆恨みといえようか。よしこのホームレス男性の通報であったとしても,何れにせよ逆恨みであることは間違いない。
これが腹立ちの第一因と思われ(少なくとも,そのように思われるように報道がなされていると思われ),少年らは以後,この男性へ投石するようになった。男性は投げ返すことがあったという。
「石を投げたら追い掛けられたり、タバコを吸っていて注意されたりして許せなかった」(神戸新聞)
現場は「尼崎市南武庫之荘9の武庫川河川敷」。犯行は3月29日午前0時50分ごろ。「犯行直前、ライター用オイルを数本万引きし、火をつける前にまいた」」(読売新聞)とあり,ここで窃盗罪・放火罪。
この際,「テントに石を投げ、中で人が動いたのを確認してから火をつけた」(朝日新聞)。燃え移り,その結果焼け死んでも構わないと思った―という供述は各社に共通。
動機については煙草を注意されたことへの逆恨み,その他,尼崎北「署では「(少年2人は)喫煙していたところを警察に通報されたと邪推して、通報するのはコイツ(男性)だけやと、いろんな憂さ晴らしもあってやったようだ」と動機について説明」(スポーツ報知)。スポーツ新聞は多少,「品」がなく,発表の警察官の言葉をそのまま書いているようで寧ろありがたい。
火がつくと,「別の野宿者が火に気付き」(毎日新聞),この警告があったか男性は逃げて無事。不幸中の幸いというべきか,このためこの件では殺人未遂。
こののち少年らは「2人はこの事件の約1時間後、現場近くの市営住宅に侵入し、消火器をまき散らしたとして、建造物侵入などの容疑で逮捕され、家裁送致されて観護措置」(MSN産経)。つまり深夜2時頃の家屋不法侵入,窃盗,器物損壊。
この取調べのなかでホームレス襲撃の関与を認め,逮捕(14歳,同じ中学の3年2名)。なお尼崎北「署員はこの日、被害に遭ったホームレスの男性に犯人逮捕を知らせに行ったが、不在だった」(スポーツ報知)とのこと。
ある種,ホームレスの人々は「帳はずれ」のようなもので,基本,”いないひと”,”ふつうでないひと”扱いであって…この意識から”ひとでないなにか”とされてしまうものであろうか。時折(無軌道な若者によって)”削除”されてしまう。
まあその,確かに納税だの勤労だのといった「真っ当な大人」の義務から離れた,言ってみれば日常世界から削除された人たちではあって。日常世界,「普通の世界」「真っ当な世界」に属する者たちからは卑賎視されるんではあろう。
時にこの若者たちは深夜徘徊してる段階で,既に『マージナルな状態にある若者』から相当「あっちがわ」にイっちゃってるが,殺人未遂・(人の住んでるところへの)放火,窃盗・不法侵入・器物損壊と重大犯罪のフルハウスやらかしたわけだが,どきっぱりと「真っ当でない」世界に堂々好き好んで突入した,そんな自覚はあっただろうか(反語を予定した問いかけ)。
読売新聞 尼崎の野宿者襲撃、「喫煙を通報されたと思い」…中3供述 2010年5月1日 読売新聞
スポーツ報知 中3男子2人がホームレス狙いテントに放火 2010年5月1日06時02分 スポーツ報知
神戸新聞 野宿者のテント放火 殺人未遂で中3の2人逮捕 2010/04/30 23:17
朝日新聞 野宿者のテントに火、中3男子2人に殺人未遂容疑 尼崎 2010年4月30日20時28分
毎日新聞 殺人未遂:野宿者テントに放火 容疑で中3男子2人再逮捕--兵庫・尼崎 【加藤美穂子】 2010年5月1日 東京朝刊
MSN産経 ホームレスのテントに火つけた中3生2人逮捕 尼崎 2010.4.30 19:31
なお野宿者ネットワーク(制作および制作担当・生田武志) TOP PAGEの野宿者に関する各種調査・資料へのリンクに野宿者襲撃・年表 2000~があってそこそこ便利。事例の集積メモにとどまり,実際に資料として使う際には各個に(ソース探索などの)調査が必要となろう点は,―ま,ほんとに使うんなら,そのっくらい自分でやれ,とは正論かな。
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