先週の土曜日(8月6日)午前11時ごろ電話があって
「今夜、寄ろうと思うけどご在宅かな?」
「ああ居るよ。ちょうど工事が始まったところ、見ていくといい。何時頃?」
「7時半ごろになるかなぁ」
兵庫にいる娘からでした。ときどき顔を出してくれるのは嬉しいのですが、仕事が忙しいようで、いつもこんな調子です。工事というのは屋根の葺き替えを含む耐震補強工事のことで、当初の予定では6月に完成ということでしたが、東日本大震災の影響で遅れに遅れ、この猛暑の中の工事となってしまいました。
「夕食は済ませて来るの?」
「う~ん、家(うち)で食べるわ。とーさんたちは済ませてといて」
「了解。でも、私は生憎今夜“納涼ビール愛飲会”で、午後6時外出9時帰宅の予定。母さんに伝えておくよ」
この夜の帰宅は大幅に遅れて10時を過ぎていたと思われます。それでも12時ごろまで娘と雑談、どの話題も、私たちの世代にはなかった世界観や感性に満ちていて興味深いものでした。
翌朝、しばらく様子を見ていましたが職人さんたちの「お休み」が確定しました。(職人さんたちは、雨天が休日で、日曜も仕事と聞いていましたが……)
「何処かへ出かけるか? でも近場では何処へ行っても暑いから、家でのゴロゴロもいいけどネ」と私。
「伊吹山はどお? 行く予定がキャンセルになったんでしょう」と娘。近ごろ“ウォーキング”に熱心な家内も賛成して急遽「伊吹山山頂ウウォーキング」に出かけることになりました。
名神高速道路を関ヶ原ICで降りて伊吹山ドライブウエイへ向かいました。ICで大渋滞に巻き込まれ、もう山頂の駐車場が満杯かと心配されましたが、実は国道で渋滞で起こっていて、そこを抜けたら順調に走ることができ、残り少ない駐車スペースも確保、午前11時には頂上を目指し歩き始めました。
上の写真は駐車場に設置された案内板。私たちは時計の反対廻りで遊歩道の外周を大きく回ることにしました。
山上駐車場は観光バスが20台ぐらい、乗用車が300台ぐらい置ける広さがあり、標高は1,260mとか。伊吹山の標高が1,377mですから、117mの登山でした。写真右は駐車場の西端に祀られた観音像、遠くに琵琶湖が見えました。中央の写真は観音像を囲む石垣にカップルが掛けた誓いの鍵。
上の写真は駐車場からの登山口。この日は駐車場が満杯、登山口は「開店直前、特売場の行列並み」の賑わい
でした。それでも、しばらく登ると人波は間延びして、全身で心地よい山の空気を感じ、眼前の緑や眼下の眺望に心が和(なご)みます。空気は意外に混ざりにくいものなのでしょうか、心地よい高原の涼風に交じって時々生温かい厭な風の塊が肌をなでます。この点が標高不足で、上高地や美ヶ原のようにはいきません。しかし、伊吹山は近くて便利ですから、許して余りあるものがあります。
頂上に近くなると眺望が一段とよくなります。上の写真の雲の下は琵琶湖です。
頂上風景のスナップ3枚を載せました。もう20年も前でしょうか、自動車道が開通した直後に私が来た時には、頂上に日本武尊(やまとたけるのみこと)の像だけがあり、そのお顔が少し奇妙で、がっかりした記憶があります。それから、少し離れたところに山岳宗教の小さな御堂がありました。このお堂は今も残っています。それにしても随分開けたものです。食堂・土産物屋・アイスクリーム店など、どのお店も人で溢れていました。そしてメインは、草原にビニールシートを敷いての「おにぎり」と「水筒のお茶」。どのシートの上も笑顔で溢れていました。
上の写真が岐阜県側を見降ろしながらの東廻りの下山道です。こちら側に「お花畑」が多く、道も砂路でなだらかでした。以下に下山道のスナップを載せます。
最後が、見事なお花畑。残念ながら私にはこれらの花の名前が一つも分かりません。元気なおばさんたちがワイワイ言って写真を撮ったり、それぞれに蘊蓄を披歴しておられましたが、私を驚かせたのは聞こえてくる会話がすべて関西弁! 名古屋弁のおばさんたちにも頑張ってもらいたいものだ、と思ったりしていました。
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