百醜千拙草

何とかやっています

欺瞞は暴かれる

2024-06-04 | Weblog
先週アメリカで話題になった三つの事件は、1)トランプが2016年の大統領選の前に不倫の口止め料を不正に支出したことで全ての罪状で有罪となったこと、2)共和党予備選で大統領候補だったNikki Haleyがイスラエルを訪問し、ガザに落とされる爆弾に「奴らにとどめを刺せ」と書いたこと、そして3)バイデンがガザでの停戦への提言をしたこと、でしょうか。

アメリカは法治国家が建前ですから、トランプは法によって粛々と裁かれなければなりません。陪審員は議員と違ってその点に忠実でした。トランプの有罪判決を受けて喜ぶニューヨーカーの映像が流れていましたが、法に反したものが法によって裁かれる当たり前のことが当たり前に起こったことに安堵したのだと思います。一方、我が国では、明らかな脱税でも与党が組織ぐるみでやれば起訴さえされません。

然るに、バイデンはどうでしょう?トランプの有罪判決に関して「何者も法より上にあるものはない」と言ったらしいですが、「お前が言うな」です。ICCのネタニヤフの逮捕状請求を受けて、ホワイトハウスは、(国際犯罪人を裁く法的機関である)「ICCに制裁をする」と会見で公言し、バイデンは、ガザでの大虐殺は(国際法で禁じられている)「ジェノサイドではない」と言い張り続け、国連機関のICJのイスラエルに対するラファへの攻撃の即時停止命令を無視するイスラエルに「寄り添う」と言い、国際法は平気で無視の無法者です。

そしてバイデンは、ウクライナがロシアを攻撃するための兵器を更に供給し、アシュケナージ ユダヤのゼレンスキーを使って、ウクライナ人を使って戦争させて、多大な税金を軍需産業に横流し、中東ではガザとウエストバンクでのパレスティナ人の大虐殺に共謀し続けています。「れいわ」の大石議員は、かつてキシダ政権を「アメリカの犬、統一教会の犬、資本家の犬」と批判しましたが、バイデン政権はさしづめ「イスラエルの犬、シオニストの犬、軍産の犬」といったところでしょう。

Nikki Haleyについては言葉もありません。イスラエル ロビーのAIPACから今期はバイデン以上の資金援助を受けており、身内がイスラエルにも兵器を機供給する兵器会社。わざわざイスラエルまで行って、パレスティナ子供の頭上に落とす爆弾に「奴らにとどめを刺せ」とサインする、トランプが可愛く見えるほどの外道ぶりです。人間、ここまで落ちれますかね。

さて、バイデンは政治的には微妙な立ち位置とタイミングにあります。自身をユダヤ人ではないがシオニストだと以前から公言してきた男です。統一教会ならぬシオニストに媚を売り続け、老人になってようやく大統領になれたのです。党のためにも5ヶ月後の大統領選では再選したいでしょう。しかし、一般アメリカ人と世界の人々のイスラエルのジェノサイド反対、パレスティナ解放を叫ぶ声をいつまでも無視するわけには行きません。イスラエルの立場を立てながら、事態を収めなければ、ただでさえ危うい大統領再選がさらに遠のきます。

そして、バイデンがようやくイスラエルの停戦勧告を表明した金曜日、アメリカ議会は共和党と民主党が合同で、ネタニヤフをアメリカ議会に招待することを明らかにしました。イスラエルはこれまで9度にわたる人質の解放と停戦の提案を一方的に拒絶し続け、ガザを徹底的に破壊し続けてきました。ガザを人の住めない土地にし、パレスティナ人がガザではもはや生きていくことができない状態にした頃に、ネタニヤフをアメリカ議会に呼んで都合の良い話をさせた上で、あたかもバイデンとイスラエルが「中東の平和」をもたらしたかのような印象操作をして批判を躱そうという腹なのでしょう。

しかし、そんな稚拙な工作で、アメリカ議会とネタニヤフは、世界の人々は騙せないでしょう。SNSが発達した現代は、マスメディアを使ってプロパガンダを流せば大衆は容易に洗脳された前世紀の社会とは違います。イスラエルが2005年以降、何度もハマスとの合意をわざと破って挑発し、武力蜂起を起こさせて、今回の"mowing the grass"作戦に持ち込んだことは、大勢が指摘しているところです。シオニストが、平然と嘘をつき、自らの利益のために他を陥れることをためらわず、加害者でありながら被害者を装って人々を騙す邪悪な詐欺師であるということは、これまでは陰謀論として扱われてきましたが、今回のことで世界中に「事実」として広く知られることになりました。「ホロコーストの被害者」という立場を免罪符にしてきたシオニストらが、実はパレスティナ人に陰湿な迫害を続け、買収と脅迫でアメリカ議会を操り76年にわたってパレスティナに対するアパルトヘイト政策に共謀させ続けてきた犯罪者であることが晒されつつあります。

そして、現代で最も凶悪な人権侵害を繰り返してきたシオニストに共謀しながらも、「民主主義」を錦旗に世界各地で戦争を繰り返してきたアメリカの「ダブル スタンダード」を中国は、先週、強く批判。
 

「、、、アフガニスタン、イラク、ウクライナにガザ。あらゆる危機や紛争はアメリカの利己的なダブルスタンダードの結果である。アメリカが世界秩序の混乱の最大の原因であるというのが事実である、、、」

シオニストはアメリカという強大な軍事力の後ろ盾を得てきたことで、その露骨で邪悪なやり方を隠そうともしなくなりました。そのおかげで、世界は、イスラエルのシオニスト政権が過去76年に渡って行ってきたアパルトヘイト政策の悪質さを再確認することになりました。もはや、多くの国からイスラエルは信用できる国際社会の一員として扱われることはないでしょう。事実、観光国のモルディブはイスラエル人の入国禁止を表明しました。AIPACを通じて手なづけたアメリカ政府でさえ、露骨にイスラエルを支援し続けることは難しくなっていくでしょう。

先週は、ネタニヤフがフランスのテレビ局に招かれて出演したことで、フランス国民は激怒しました。アメリカ人がバカでなければ、ネタニヤフがアメリカ議会で演説することは事態を鎮静化するどころか、逆に反発を生むでしょう。またそれは、両政党そろってイスラエルを支援してきたアメリカの二大政党制という「プロレス興行」の欺瞞に国民を目覚めさせることになるのかも知れません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする