ギリギリ探偵白書・82

 ギリギリ探偵白書
 「ラジカセ・第3話」



ラジカセに仕掛けられていた盗聴器。
しかし、そのラジカセの元の持ち主は、もうこの世にいなかった。
しかし、依頼者への嫌がらせは続いている・・・。
盗聴器を仕掛けたのは、依頼者を知る人物である事は間違いない。



しかし、関係者は何人いるのだろう。

10人どころではない、100人はいるだろう。
それだけの人物を調査するだけで、大変なことになってしまう。

ラジカセの事を知る人物や仕掛けられていた携帯電話型の発信機を
調べた方がピンポイントで調査が行える。

そして、そのアナログ的な調査とデジタル的な調査が上手く両輪として
動き出せば、短期で決着がつくはずだ。

そんなことを行いながら、深夜まで働き続けた私は、「万年眠い病」に
かかってしまった。

次の日

連日の激務の中、私は思いっきり寝坊した。


・・・・んっ、何だかまぶしいな・・・

(はっ!!!こんな時間!!)

・・・・まずい、もう夕方だ・・・。


私はすぐに着替え、走るようにしてタクシーに乗り込んだ。


運転手  「池尻大橋?それどこですか・・・自分、新人なので」

阿部   「マジ?」


周辺を見渡すが、タクシーはいない。

(仕方ない・・・。走るよりは早いだろ。)

携帯のメモリーを見ると、全ての着信履歴が「事務所」で埋まっている。

私は新人には見えない中年運転手に手短に道を指示しながら、事務所に向かった。

早速、電話がかかってきた。


阿部   「ごめーん!!」

サザビー 「何時に来んの?もう、大変だったぜ」

阿部   「やっぱり、で?どうなの、いない間の事を聞かせてくれ」

サザビー 「来客3人、会議2本、それから・・・俺がやっといた」

阿部   「わりぃ」

サザビー 「それから、この間の脅迫の件、相手がわかりそうだよ」

(ん?どの件だ・・・。頭がパニックだぞ・・・)

サザビー 「○○さんの件だよ。ストーカーのヤツ」

阿部   「あ~あ!!わかりそうなのか、相手が」


事務所に着くと、私のデスクには、資料や調査報告、途中報告書
作戦要綱など大量の資料が置いてあった。

(・・・・おいおい、マジかよ・・・)

私は一気に資料などに目を通し、訂正点などを指示したりした。


松○   「代表、見つかりました。ただ・・・」

阿部   「主語と述語をしっかり言え」

松○   「○○さんの脅迫の件ですが、相手の居場所がわかりました」

阿部   「おお、わかったか・・・。どこだ」

松○   「○古屋です」

阿部   「都内にそんな場所はない!!」

松○   「はい?東京じゃないですもん」

サザビー 「あべちゃん、出張かな?」

阿部   「出張?短期決着だろ」


そして、ワタボンが決定的な情報をつかんだ。


ワタボン 「あのラジカセはもともと、○×という男のものです。
      それを教授にあげたんです」

阿部   「裏は?」

ワタボン 「カードで買ったようで、販売店までわかっています」

阿部   「さすが!!で、そいつの住まいは?」

ワタボン 「○△県○古屋市です。えーと・・・」


条件は全て揃った。



        続く



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 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
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