ギリギリ探偵白書・306

 ギリギリ探偵白書
 「金の行方・第3話」


 
 青年は同僚の女性に茶封筒を渡した。
 その女性の後を付け、あるホテルの喫茶店に入った。
 しばらくして、女性の元へ男性が現れた。
 そして、2人の隣の席に合流してきたチョーさんが座った。



 すぐさま、メールが入る。チョーさんからである。

 「会話うまく聞き取れず♪」

 (♪の意味がわからんぞ)

 青年の封筒が女性の手から男の手に渡った。
 
 (あの封筒は何なんだ?)
 
 その後、またチョーさんと別れ、双方の住所を割り出した。
 男性の方は、封筒を持ったまま家に帰っていった。
 その日の調査は、そこで終了した。


阿部   「さて、どういうことだ?」

サザビー 「さっぱり、わからん」

阿部   「その封筒は金か?」

サザビー 「かもしれんし、そうじゃないかもしれん」

阿部   「青年の調査は、もう良いな」

サザビー 「ああ、女か、男だな」

阿部   「女は利用されてるだけだろ」

サザビー 「んじゃ、男中心で行くか」


 男を調査した結果
 男は定職にも就いておらず、昼間はラフな格好でパチンコ三昧
 そして、夜はスーツを着込んで、数人の女とあっていた。

 女性の方は、この男に貢いでいる女の一人で
 (当人は恋人は自分だけだと思っている様子)
 借金をしてまで、男に金を渡していた。


田中   「男は結婚詐欺か、だめんずってやつですね」

サザビー 「まあ、そんなとこだね」

阿部   「ようは、なぜ依頼者の息子さんが金を出してるかだな」

サザビー 「カツアゲじゃねぇ?」

田中   「そんな、いい年して・・・」

阿部   「うんにゃ、ありえない訳ではないな」

田中   「いや、ありえないっすよ」


 我々は、依頼者に事情を説明して、青年と話をすることになった。

 翌日、青年は依頼者である両親と共に、事務所にやってきた。
 そして、そこで今回の調査の結果を見せた。

 それでも、事情を説明しようとしなかった青年だったが
 あべちゃんの説得により、ようやく事情を説明し始めた。

 青年は、女性からセクハラを会社にバラすと脅されていた。
 青年の話では、セクハラなどしていないという。


阿部   「脅しの証拠を取りましょう」

青年   「で、でも・・・」

阿部   「このままで良いんですか?」

青年   「・・・・・」

 
 女性は翌月も金に尽きると青年をゆすってきた。
 会話を録音されているとも知らずに。

 我々は、証拠を元に女性を呼び出した。


阿部   「こんなことしたら、警察に捕まっちゃいますよ」

女性   「・・・・・」

阿部   「とりあえず、○○君に、金返してやってよ」




        完



 メールマガジン「ギリギリ探偵白書」の復刻版です。

 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


 ギリギリ探偵白書の登録はコチラ 
 http://www.mag2.com/m/0000121372.html 

 T.I.U.総合探偵社 

 ランキングです。
 応援お願いします。  → 人気blogランキング
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 穴場ビーチ!... ハマの番長、完封 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。