ギリギリ探偵白書・254

 ギリギリ探偵白書
 「大学生美人局・第1話」



田中   「はぁぁぁ・・・」

サザビー 「なんだよ、毎週毎週」

田中   「ん、なんすか?毎週?」

サザビー 「いや、こっちの話。どうした、何かあったのか?」

田中   「どうしたもこうしたもないですよ」

サザビー 「それは、大変だったなぁ」

田中   「まだ、何も言ってないですよ」

サザビー 「うんうん、そりゃヒドイねぇ」

田中   「・・・聞く気ないですよね」

サザビー 「わかるぅ?」

阿部   「アホ話には、付き合ってられないってか?」

サザビー 「そうなんだよ、いつもクダラナイ事で悩んでるからね」

田中   「そ、そんな事ないですよっ!今回は・・・」

チョーさん「どうせ、フラれたとか・・・」

阿部   「いや、思った以上に自分の足が臭かったとか」

田中   「何言ってるんすか!代表なんか加齢臭漂ってるくせに」

阿部   「失礼なっ!カレーなんか食ってないぞ」

田中   「ホラ、オヤジだ。出たよ」

阿部   「・・・サザビー、コイツ殴って良いか?」

サザビー 「耐えなさい。って、もう殴ってるじゃん」

田中   「ぬぅぅ、暴力反対っ」

阿部   「うるせー、ぶた」

田中   「くっ、このチョイ臭オヤジが・・・」

阿部   「ああん、何だとぉ?」

チョーさん「まあまあ、二人とも落ち着いて・・・」

阿部・田中「うるせぇ、ハゲは引っ込んでろっ!!」

チョーさん「誰が、ハゲてるんだよっ!?」

サザビー 「おいおい、静かにしてくれよ、テレビ聞こえねぇだろ」

阿部   「ドラマを見るなっ」

田中   「仕事しろっ」

チョーさん「オレは、ハゲてないぞっ」

 (しらねぇよ!!)

サザビー 「はいはい、電話なってるよ」


 田中が舌打ちをし、受話器を取った。


田中   「はい、T.I.U.です・・・はい・・・ええ・・・」


 田中は電話を保留状態にし、こちらに向き直った。


田中   「ちょい臭代表、電話ですよ」

阿部   「なんだと、ブタヤロウ」

チョーさん「どこがハゲてるんだよっ」

サザビー 「ほら、電話、電話」

阿部   「ちっ」


 電話の男は、以前、あべちゃんと交通事故トラブルを起こした男だった。
 その時の名刺を頼りに、ウチに電話をかけて来たようだった。


阿部   「どうやら、なんか調査相談があるみたいだ・・」

サザビー 「これから、来んの?」

阿部   「ああ、おいブタ!部屋、準備しとけ」

田中   「・・・ふん」


 3時間後、相談者は一人の若者を連れて事務所にやってきた。


男    「どうも、その節は・・・」

阿部   「いえいえ、所で、コチラは?」

男    「息子です。実は・・・」


 息子は、出会い系で知り合った女性を妊娠させてしまい
 堕胎費用として50万請求され、それを払った。

 しかし、その後、彼女の男が出てきて、慰謝料として
 100万円支払えと脅されていると言う。


阿部   「本当に妊娠してたんですかね?」

息子   「ええ、そう言ってました」

阿部   「アナタなんですかね?」

息子   「え?どういう事ですか?」

阿部   「その女性には彼氏がいたわけですよね、って事は・・・」


 まずは、女性と彼氏について少し調べる事にした。
 二人とも、家族と一緒に住んでいる大学生だった。

 彼氏と名乗った男は、その女性と付き合っているわけではなかった。
 女性には、別に彼氏がいた。


田中   「どういうことでしょうね?」

サザビー 「大学生が美人局なんかやっちゃイカンよね」

田中   「え、社会人なら良いんですか?」

サザビー 「・・・・・」


 驚く事に、金銭を要求されているのは、依頼者の息子だけではなかった。

 調査最終日、女性を尾行していると、依頼者の息子でも
 彼氏でもない、メガネをかけた男と、待ち合わせていた。




        続く



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