猫との思い出をつづらせていただいております。
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猫太陽も猫蓮も夢に出てきたことがほとんどない。太陽が亡くなったあとは夢に出てくると予想して、枕元に紙とペンを置いていたけど、出ないねぇ。
一度だけ、2016年9月に亡くなった由芽ちゃんと一緒に連れ立って現れたときがあった。ベッドの足元よりの床を2匹で歩いていた。まだ蓮が亡くなる前だった。
そして、一昨日は一瞬だけ太陽と、そして蓮が夢に登場した。夢というか自分としては、意識がもうろうとしているときだという感覚だけど夢なんだろうな。ベットで眠っていると、左側に太陽君が現れた。「え、うそ、太陽だよね。これ本当に太陽? 触れるの?」と触ると明らかに厚みのある太陽君の体型。わ、触れる触り、立っていたのを、自分の眠っているとなりにギュッと押さえつけて伏せの姿勢にさせた。抵抗する圧力や、結局でも伏せしてくれるととか、太陽くん。そのとき、足元の右側にゴロゴロいいながらいる重みを感じていて、あー蓮もいるんだな、蓮が足元で太陽が枕元というパターンは珍しいけどいるなとおもっていた。あたしはそのまま寝落ち。両方とも顔を見ていないから表情はわからない。
とはいえ夢に現れてほしいかというと実は複雑なのよね。なんかさ、まだ死んだということを肯定したくない気持ちもあるから。
猫はちょっとした隙間に入り込むのがうまい。蓮も太陽も、家のなかにいるはずなのにどこにいるかわからなくなる、行方不明になることもあった。探し回ると新たな隠れ場所にいるのを発見したこともあったけれど、しばらくの間場所を突き止められず、なぜかしばらくすると現れるという状態が続いたこともあった。いつの間にか隠れ場所から移動して、目につく場所で眠っていたりね。
本棚の下の段、ソファーの脇の細い隙間、クローゼットと壁のほんのちょっとした間、仏壇の下、身体が柔らかいから自由自在だった。
太陽君がまだ家に来る前に、猫用のパオを一つだけ買った。由芽は気にいったけれど、新しいものが苦手だったり、独自なこだわりをもつ蓮は入らなかった。サイズが小さいし、蓮ちゃんには狭いんだろうなとおもっていた。
とはいえ、蓮はかつては、なんというか容器のカタチに合わせんばかりに、自分の身体を箱などに押し込むのが好きだった。そのまま眠ったりもするのだけど、どう考えても内臓が圧迫されているから、あたしは面白がりつつも、長時間は押し込めさせないようにさせていた。人間の自閉症で狭いところに体を押し込めると安心するというのがあると聞いたことがあって、あんな感じだったのかなとおもっている。
ここ数年は、まったくそういう癖がなくなった。太陽が来てからだと思う。生き方が変わったのよね。
太陽君が来たら、太陽がパオを気にいって、そうしたら由芽は入らなくなってしまった。太陽には明らかに小さいとおもっていたのだけど、住めば都なのか、ときおり入って眠っていた。
ブームがあるようで、しばらく使っていないかとおもっていたら、突然入ったりする。だから太陽がパオをしばらく使わない状態が続くと、パオが何かの拍子にだんだんと不安定な場所に移動していってしまうこともある。そんな状態になっているときに、ふとあるときパオの中にいたりするからあせった。あわててよい場所にパオを置いたりした。
外で猫を飼っていたことがある。うちに流れ着いてきた猫で、皮膚病があった、幸(こう)ちゃんと名前をつけていた。蓮と由芽がいるから、主に蓮がいるからという理由で幸ちゃんは外で飼うことにした。その割にはあとで太陽を飼っているわけだけど、めぐりあわせ、タイミングなのでしょう。
幸ちゃんは家の中には入れてあげられなかったのだけど、車が好きな猫だったから、一緒に買い物に行ったり、駅まで車で迎えに来てもらったり、そのとき一緒に過ごせたのがせめてよかったとおもっている。
幸ちゃんと一緒にホームセンターに行ったとき、ペットを連れて入れるホームセンターだったから、カートに幸ちゃんを乗せて店内に入ったら、逃げはしないけれどずっと鳴き続けた。それは違うらしい。だから車で待っていてもらうことにした。
不思議な猫だったな。車で駅に行くときとか、絶対また家に戻ってくると確信があったんだろうね。
幸ちゃんのために犬小屋を飼ってきて、防寒したり、座布団を敷いたり、居心地をよくしていた。そこは幸ちゃんの場所で、蓮も夢も幸ちゃんがそこにいることは許容していた。
幸ちゃんが亡くなった。亡くなる数日前にうちからいなくなり、近所の農家の農業車の下から発見された。死にに行ったんだろうね。ありがとうね、幸せちゃん、うちに来てくれてうれしかったよ。
幸ちゃんがいなくなってしばらくしたら、その小屋には由芽が入るようになった。気にいっていて、よく滞在していた。そこで眠っていることのほうが多かった時期もあるくらいじゃないかな、由芽はとにかく外が好きな猫だったから。
けれども太陽が来て、太陽がその小屋に入ったら、由芽は一切入らなくなった。猫ってそういうものなのかな、仲が良いと共用もできるかもだけど、そうじゃないと定員1なのかなあ。
蓮ちゃんはちょっと変わっていたけれど、由芽と太陽は一般的な猫の好みで、やっぱり猫の好きな場所は似ているのだろうね。
太陽が帰ってこなくて心配になって、でも帰ってこなくてということが何度かあって、でもそういうとき、真夜中や早朝にその小屋に行くと太陽が丸くなって中で眠っているということが何度かあった。
今もぜんぜん、「あ、いたよ」ってやってくれていいのよ。
蓮ちゃん、太陽くん、由芽ちゃん、幸ちゃんありがとう。楽しかったな。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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