地産地消の高齢者

健康で明るく楽しい毎日を送りたい。

野菜畑

2011-01-26 | Weblog
毎日のように黒雲に覆われていた空が、予報に反して10時ごろから薄雲に変わってきた。気温も少し高くなってきた。

家の周囲の雪も水分を含んできたようだ。

しかし、16~17日の吹雪で、野菜畑は白一色になり15日に老妻の掘り出した野菜畑の位置も見当がつかない状態になっていた。

老妻の掘り出した野菜が底をついたという
いよいよ老夫の出番となった。

先ずは身ごしらえだ
40歳代で使用していたスキー帽にスキーウエアを隣の押し入れから何年振りかに取り出した。
近年は雪が少なくて押し入れに眠っていた者たちである。

箱の中には、息子夫婦と3人の孫達のスキーウエア、スキー帽、手袋、ソックスなど賑やかな色彩の物もも入っていた。
何年間か家族でゲレンデに出た当時が思い出される。
ゲレンデに出ただけで滑らないでただお尻だけを濡らしていた夫人もあったが?。
今では楽しい思い出である。

孫の二人は家庭を持ち、6ケ月の子の親になっている家庭もある。
今まで休養させたスキー衣装、その子の為に今しばらく休養を与えることにするかな?。

少し派手で若返ったようなスキーウエアだが、周りを気にする年頃でもなく先ずは防寒第一で辛抱だ。

靴の中への雪の侵入を防ぐひも付きの長靴を取り出し、
軍手は雪で濡れる心配があり、軍手に変えて緑のゴム手袋を準備
雪掘り用のスコップ(匙形)も整える。

いよいよ現場へ、
畑への一歩を踏み入れる為にスコップを使って積雪量を測る。
スコップの金属部分(約30㎝)を少しオーバーだ、
深みにはまらなければこの長靴で先ずは大丈夫、

次は、どこからどの方向に向かうかである。

畑の向こう側に2本の竹の支柱が頭を出している、
1本はキイロコスモスの畝の端っこで、1本は鶏頭の畝の端っこに残されていたものであろうと想像される。
その2本を見通した一線上の手前に大根の畝があるだろう、
当たるも八卦、当たらぬも八卦、
いや、幾何学的な考察による見通しに間違いないと、進行方向を決定。

予想される地点までおよそ10m、
これを掘り進むのは大変である。
そこで考えたのは、雪を踏みつけて道を造ることであった。



小学校に通う時によく作った道である。
新雪の積もった朝、登校の為に上級生が先頭になって、雪をかき分けながら進み、
その後を下級生が雪を踏みしめながら進む、低学年はそのようにしてできた道を安心して通ることが出来た。

雪の降る地方では、恐らく古くから誰かに言われたのではなくて行われてきたことであろう。
自然環境が、他の人のことを考えて行動することの大切さを教えてくれていたのである。
今では除雪車が除雪をすることが当然のように思われている。

そのようなことを思い出しながら10メートルほどの雪を踏みつけて進んだ。

いよいよ大根畑の位置の確認である。
それは、雪の踏みつけでは駄目である、先ずはスコップで30㎝以上の雪を取り除き地面の顔を見ることである。
地面が、通路か畝かを見分けることである。
約30cm四方の地面を掘り出した、ほとんどが通路でその左端が畝の一部分であることが分かった。これが分かれば大丈夫、後は、畝に沿って掘り進むだけである。

見通しに間違いなく位置を確認することが出来た。
幾何学的な考察の成功であった。(?笑)




次は、畝の両端の確認と大根の隣の蕪やネギの位置確認だ。
これらは大根の畝を基準に掘り進む事によって簡単に確認出来たが、
除雪をしながらその位置に行くのに相当の労力が要求された。
体は汗ばむくらい温まっていた。



犬走りに出ていた老妻のホッとした顔が見え、
 「大根3本と白蕪4,5本、ネギ2株お願いします。」の声が届いた。
折角だからもっと収穫すればと思ったが、それが要求なれば仕方ない。
今後、あのような大雪には降らないと思ったのか、
降れば最近運動不足勝ちの老夫に、適当な運動になると思ったのか?

何れにしろ、今後の楽しみが出来たようだ。

しかし、農家では楽しみ事ではないのである。

老妻曰く、
先日、スーパーで友人に会ったら、彼女は農家で野菜を栽培していて、スーパーの朝市に「今どれ新鮮野菜」を出荷していたが、この雪で今は家で食べる野菜をここで買って帰らなければならないと話していたそうだ。

未だ大雪は続くだろうか、
今日の気象情報では、山陰地方は今夜から明日にかけ大雪が予想されると報じていた。

1日も早く雪から抜け出し、小春日よりの下で畑仕事に取り掛かりたいものだ。