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永遠の0 軍首脳部はなぜ特攻を選んだのか?特攻しかなかったのか? 追加

2014-01-04 20:35:33 | 歴史

 なぜ特攻を選んだのか? 特攻しかなかったのか?

まだ誘導弾やホーミングミサイル等の技術が殆どなかった第二次世界大戦の時点では人間が爆弾とともに的に突入する特攻攻撃は一見かなり命中率を上げて相当有効な攻撃方法に思えます。ところが永遠の0にも描かれているようにVT信管や圧倒的物量差も相まって実は特攻の成功率は我々が考えるよりも低かったのです。ウィキ参照 言いにくいことですが、多くの特攻はほとんどが戦果も挙げられずただ散っていってしまったわけなんです。ウィキペディアにあるように特攻で沈んだ正規空母は1隻もありません。軍首脳部は対戦果比率(て言うのかどうかわかんないですが)を計算することもなく特攻を命じ若者たちを出撃させ続けていたわけなんです。(なんか親方日の丸の特殊法人や現在の公共機関が対投資比率を無視して業務を遂行しているのを彷彿とさせるなあ)軍首脳部がなぜこの選択をしたのかというと、この特攻が実に高い成功率を上げた攻撃があるのです。それは最初の特攻 フィリピンでの関大尉率いる敷島隊の戦果だけが異常に突出して高いのです、護衛空母撃沈←正規空母とは比べ物のできない貨物船などの改装ですが これは最初の特攻だったことにより米軍が対策をしていなかったことを差っ引いても悪魔が微笑んだと言わんばかりの高い突入率と戦果を上げているのです。この一事を持ってして軍が特攻へと大きく舵を切るわけなんです。

 ところで原作 永遠の0にも触れられていませんが 10死0生 の特攻よりも 生還確率が高く、なおかつ 効果的な攻撃があるのです。 スキップボミング 反跳爆撃とよばれる攻撃方法がそれです。以下の動画は実はダムバスターと呼ばれる特殊な爆弾を利用したものですが、原理は一緒です。機を水面上数十メートルで敵艦に向かって水平飛行させ、爆弾を敵艦の手前の海面に投弾すると爆弾は、幼いころにやった水切り遊びの要領で敵艦に向かって水面をぴょんぴょん飛んで行くというものなんです。

【ストライクウィッチーズ2】反跳爆弾【スキップボミング】

これは雷撃(まず航空魚雷が高価な上に技術的にも敷居が高いあのドイツ空軍ですら日本海軍から技術導入をしようとした)や急降下爆撃(特殊な訓練とダイブブレーキや投弾装置が必須)のような特殊な機材と訓練を必要とせず、特攻とほぼ同程度の効果を発揮できる攻撃方法なのです。もちろん攻撃後機体は敵艦の上を通過するわけですから猛烈な弾幕をくぐるわけで 撃墜される可能性も高いわけなのですが、九死一生の作戦は 10死0生とは大違いなわけなんです。航空隊員への心理的プレッシやーは全然違ったと思うのですが・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー追記 攻撃方法比較

  機材  乗員養成  効果  被弾率 の点から雷撃・水平爆撃・急降下爆撃・スキップボミング・特攻について比較してみました

<雷撃>    機材の点では 一番難易度が高い専用機に魚雷 特に航空魚雷が高価な上に開発も困難であります。 乗員養成は 中 効果の面では、敵艦の水面下に穴を開けられるので最も効果的。被弾率は雷撃の前に低空を水平飛行するなおかつ攻撃後も敵艦の上を低空で通過するので危険度も高い。 ハイリスク ハイプライス ハイリターン

<水平爆撃> 機材の点では 普通の爆撃機及び雷撃機でも可能(あのミッドウェー海戦でも爆弾から雷撃への転換が一応可能だったから攻撃隊がすぐ発艦できなかったわけですよね) 最も手軽な方法と言えますこれができない攻撃機は存在しません。場合によっては戦闘機に爆装しても可能です(本来ゼロ戦はこのため爆装可能に作られていたわけです) 乗員養成も中効果の面では、割と高空から投弾するためピンポイントで当てるのはかなり難しい。被弾率も雷劇よりはマシ  ミドルリスク・ロープライス・ローリターン  

<急降下爆撃> 機材の点では 専用機が必要 急降下を行うと 自転車が坂を下るように際限なく機のスピードが上がってしまい最後は空中分解か引き起こしができずに地上に激突! 当然そうなっては意味が無いのでダイブブレーキと呼ばれる空気抵抗でスピードを抑制する装置に、専用の投弾装置(映画の中にも出てきましたが)プロペラに当たらないように爆弾を投下する装置が必要です。当然乗員養成も困難 効果の面ではピンポイントで目標を狙えるので極めて効果的。被弾率は前記の2方法に比べるとマシです。ドイツ空軍はこれを得意とし雷撃を軽視していました「直接的に当てられるのになんで手前の海面に魚雷を捨てないといけないんだ?」と言ったとか言わないとか 挙句の果てに 4発重爆にすら急降下爆撃を要求しついにまともな戦略爆撃機を一番必要とされる時期に登場されられなかったとかHe177参照 ミドルリスク ハイプライス ハイリターン

<特攻>   機材の点では 何でもいい 練習機や果てはグライダーまで使おうとしたのですから 効果は あまり期待できないその上最も貴重なもの 時間とお金をかけて養成したパイロットを確実に消耗するという点が、実はハイプライス アメリカの人命尊重というのも心情だけではなく、裏にはビジネスライクな計算があるわけなのです。アメリカがB29で日本空襲を行った時サイパン島の基地から日本に至る航路の下にはおびただしい潜水艦を配置して、機体にはゴムボートサバイバルキット食料を積み、乗務員の生還のために打てるだけの手をうったのとは大違いなわけなんです  ハイリスク ハイプライス ローリターン 

<スキップボミング> 機材の点では水平爆撃が行える機体ならなんでも良い つまりはゼロ戦のような戦闘機でも可。養成も中雷撃や急降下爆撃に比べるとはるかに容易、効果も貨物船などに対しては恐ろしい威力を発揮します。被弾率は雷撃なみ

よってミドルリスク ロープライス ミドルリターン

よって日本軍がもっとこの方法に着目すれば と忸怩たる思いがするのは私だけではないでしょう。

どんな理由をつけようとも人命軽視の作戦を発動し 後にルーチンワーク化してしまった軍首脳部の責任は逃れられないと思うのです。

 

 

 

 

 

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