そこはかとな紀

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「映画」永遠の0 

2014-01-04 17:08:46 | 映画

 いきなりですが超おすすめ ★★★★★ 星5つです

 原作も今や300万部越えの大ベストセラーですから 内容は最高 当然私も読みました

今回の映画は原作の良さをスポイルせずに、別の良さを醸しだしたいい映画に仕上がってますね。だいたい人気コミックや小説が映画化されると、残念な結果に終わることが多いのですが、今回はその稀有な例一つではないでしょうか?

 

実は年末に 同じ東宝の 聯合艦隊司令長官山本五十六 (昭和56年版)やその他空戦もの多数を鑑賞したのだが この33年間の映画技術の進歩(特にCG)は素晴らしく、まさしく実写のような飛行シーンの迫力には気圧されてしまいます。だいたいゼロ戦の塗装が無茶苦茶で間違いだらけなのです。たとえばスピナー(プロペラの中心のでっかい出っ張り)が黄色に塗ってあるのです、あんな塗装ありえへんのですが。 しかしそれだけではなく、小道具や衣装、バラック建てのボロ小屋から景浦の居室に至るまで細やかな考証が行き届いた映画となっていますね。これはまあ高度経済成長期に制作された映画と比べるのが間違っているのかもしれませんが、説明的なくさいセリフもないし、白ける演技もないし、とことんこだわってリアリティのある映画に仕上がっているなあと、私ごときが言っても何の足しにもなりませんが・・・(一応歴史マニア&軍事オタクのはしくれのつもり(*^.^*)エヘッ)。

 この映画があの戦争に関わった方たちがまだご存命のうちにできたのが何よりですよね。(劇場には結構年配の方たちが来られてました)作中の大石同様海軍航空隊を志願し特攻出撃5日前に終戦を迎えた父にも見せたかったです(ちなみに父はもう乗る飛行機がなく震洋と呼ばれた特攻モーターボートでしたが) CG技術の進歩がギリギリで間に合ったなあと、この小説が昭和50年台にかかれていて同じ東宝の手で映画化されてたとしてもこんな名画にはならなかったのでは あ、スイマセンすごい失礼なこと言いました←確信犯ですが。と言うのも実際この33年間で進歩したのは映画作製の技術だけではなく、映画鑑賞する我々の方も実は成熟した市場を形成したのではないのでしょうか?受け手に違いが分かるそんなニーズが無ければ、そのような映画は制作されません。まさしく今の日本は文化的にも成熟期をむかえて宮部久蔵がまさしく「そんな国になるといいですね」と言った国になりました。そのことがこの映画を生み出しているわけなんですね ( ̄~ ̄;) ウーン深いなこれ

まあもっともこれだけのベストセラーが原作の本作はヽ(__ __ヽ)コケッ!!ようったってこけない大当たり間違いなしの作品ですが2006年の原作が2013年に映画化されたのは ハイその通り!夏に ジブリの風立ちぬがあったからなんですよね。近年の膨大な制作費のかかる映画は激しく投資活動ですから。

 いやー赤城が凄いんです、特に航跡引いて航行するシーン、後でネットで調べたら実際の護衛艦の航跡を使用しているのが判明。そうですよね水とか雲の描写はやはりCGだけでは難しいのですよね。これほんとすごい、いや昭和56年の聯合艦隊の映像もええんですよそれはそれで、味があるってのか。…c(゜^ ゜ ;)ウーン

しかしミッドウェー作戦の時の赤城は甲板にでっかく日の丸を描いていたのに対し、宮部久蔵が特攻時に大石と取り替えた期待は日の丸の白フチを濃緑色で塗りつぶしてありましたね。あれは敗色濃厚となった日本軍が白フチすら目立つというので塗ってあるのです。

 また最後に米兵たちが叫んでいたマジックヒューズってのは 実はVT信管という米軍の機密兵器の一つで小説版には登場するのですが、日米の技術差を示す良い指標でしょう。詳しくはウィキペディア見てね↑リンク 早い話がアメリカは銃弾の一発一発にレーダーを搭載させた訳。ところが日本に至ってはレーダーどころか戦争後半になっても戦闘機同士の無線通信すらままならない状態なわけです、映画の中にもそのシーンは何度も出てきましたが(ちなみに56年の聯合艦隊では真珠湾攻撃の時から無線使いまくりでしたε= (´∞` ) ハァー)。兵器の性能の足りない分は精神力で補えってか?このあたりの体質は選択教科だの道徳だのゆとりの時間だの適当に新しい教科を創出させて予算を一円も付けずに 現場に即して何とかしなさいって言い放った 文部科学省と悲しいかな体質的に一緒なんだよなこれが。

 彼我の経済力科学力がこれだけ差があるのを別にしても 中国と終りが見えない泥沼の戦争を続けながら米英と開戦に踏み切った当時の日本の戦争指導者は一体何を考えていたのか理解でき無いのです。わずか40年前の日露戦争で彼我の国力差を冷静に分析し戦争終結を常に視野に入れて作戦と外交を進めていた同じ国とは全く思えないのです。(ノ_-;)ハア…

 

 

 

 

 


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