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生物と無生物のあいだ

2019-08-03 14:23:47 | 書評

 

 
 生物と無生物のあいだ
 福岡伸一
 命とはなにか(人生とかではないですよ)について、わかりやすく述べてくれた本です。簡単に言うと 生きている生物の体は腐敗しないのに、死んだら腐るのはなぜか、ということです。
 宇宙を支配している原理に、熱力学の第二法則「エントロピーは常に増大する」というのがあります。 これは 透明な水で満たされたコップにインクを一滴落とすと、時間が立つにつれて拡散して、ついには均一になる。つまりちょっとわかりにくいかもしれませんが、このインクはほおっておいても絶対元には戻りません。もとに戻そうとしたら、外からエネルギーを注入しないとできません。つまり「エントロピーは乱雑さを示すもの」「物事は乱雑な方向に変化する」というものです。エネルギーも我々が利用するためには、落差がないといけません。ところが最終的には宇宙全体が均一になって落差がなくなり、熱量死と呼ばれる終末を迎えるという考えがあります。 うーんちぃっと違う方に行きました。
でも 生物が生きていくということは、腐敗していく大きな流れに、必死で逆らっていることになるのです。
 突然ですが排泄物(うんこ)ですがあれって、エネルギーを吸い取られたあとの排気ガスみたいなものだと思ってませんか?違うんだそうです、食物にアイソトープでマーキングしてマウスに食べさせると、排泄物には1、2割しか出てきません。残りはマウスの体の構成要素になるそうです。だから逆説的に言うと排泄物は旧マウスの体だったもの。その入れ替わりは激しくて人間でもほぼ半年で全く新しくなるそうです。
 これは我々生物が必死でエントロピーの法則に抵抗しているかららしいですわ。だから命とは流れなのです。動的平衡と著者は言っておられますが。
 川に似ていませんか?川は水のことでも、溝のことでもなく、流れそのものでしょ?
行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
方丈記

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