そこはかとな紀

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清須会議

2013-12-17 22:19:12 | 映画

 

 

遅まきながら清須会議を鑑賞しました

 原作の小説は まあ文体というか語り口こそ独特なものの 私にとってはすでに知っている事実の羅列に思えて (-;)ウーンなんだかなあ~ ッて感じでした。

 三谷幸喜作品というのは どうも窮地に追い込まれた主人公達が必死のパッチでその場を切り抜けて行くというところが見どころで、それがまた面白いギャグコメディという一環した流れがあったのに、今回はどうもそれが無いみたいでそれがまた微妙じゃないかなと思ってたわけなんです。

 

 ところが鑑賞して見たら意外や意外 本格時代劇じゃありませんか!

 

信長亡き後の秀吉がどのようにして織田家に取って代わったのかというこの切所をピンポイントで映画化したわけなんですが。

 実にわかりやすいというか清須会議に臨む各人各様の思惑などが読み取れて大変おもしろく鑑賞出来ました。

 ギャグもそこそこに盛り込まれて三谷幸喜作品らしいのですが、以前からの作風とは一線を画す一風変わった本格時代劇の雰囲気がする作品なのです。何よりもまずこの清須会議で秀吉は天下を得たが勝家は お市の方を得た という解釈は妙に納得するものでした。おまけにお市を演じた鈴木京香が程よく老けこんでいて、清須会議だと34-5歳でまあ当時としては初老に当たるのでしょうが、戦国一の美貌を誇ったお市様ではあるが、さすがに衰えは隠せない。という風合いが実にうまく出ていました。
 
 しかしこの映画今 までの三谷幸喜作品と違い海外に持って行っても絶対受けません。と言うのは、この清須会議の状況がなんの予備知識なしに理解できないからなのです。つまり本能寺の変といえば、日本人なら、あああれね。と分かる共通のコンセンサスがあることが前提の映画なのです。
 
 この1年後秀吉と勝家は近江北部の賤ヶ岳で激突し、前田利家が陣を引き上げる(勝家側で参戦)のをきっかけに柴田軍が崩壊するわけなのです。その後の当然の結果として勝家とお市は北ノ庄城で最後を迎え、残された3人の娘は淀君やお初・秀忠夫人(お江)となりお江の血筋は今上天皇にまで繋がるという運命を知りながら見るとまた格別ですよね。