
宝鐸草
山土に命あたため二三年庵に初の宝鐸草咲く 丹人 やまつちに いのちあたため にさんねん...

地上の星
ほのぼのと松葉雲蘭地上一尺薄紫の星と揺らめく 丹人 ほのぼのと まつばうんらん ちじょ...

子想花
そのかみの幼き吾子がパパと呼ぶ声のきこへて鈴蘭の花 丹人 そのかみの をさなきあこが ...

東雲の藤
つくば研究学園都市に夜の明けてセンタービルに降る藤の花 丹人 つくばけんきゅう がくえ...

かたくりの里
もののふの八十をとめらとをのこらがシャッターを切る堅香子の花 丹人 もののふの やそを...

落花落日
駐車場の車の屋根に落つ花は映れる空を舞ひつづけたり 丹人 ちゅうしゃばの くるまのやね...

三等切符
桜 杉山平一 毎日の仕事の疲れや悲しみから 救はれるやう 日曜日み...

桜絵巻
赤信号なれば少々停車する猩々橋ゆ見る桜山 丹人 あかしんごう なればしょうしょう て...

花咲く舟
事務職となりて赴くこのビルの朝日の庭に匂ふ花かな 丹人 じむしょくと なりておもむく...

しだれ桜
ポッと開き ぽっとひらき パッと微笑みピッとして ぱっとほほへみ ぴっとし...