抱天<曼珠沙華>
諸の手に天を抱きて立つ花の翳りうるはしこの夕かも 丹人 くれなひの曼珠沙華こそよろし...
秋萩<偕楽園>
見まく欲り偕楽園の秋萩のけふを盛りのくれなひの色 丹人 シャッターを押さむとすればフ...
相聞<クレーム>
下野に幸姫あり 姫の舞露倶にて予が湖面渡したるに姫のかへして相聞となるもをかし --------...
シーッ<雲の密談>
秋の日暮れのことなり 西空の雲の切れ間にて何やら相談する雲あり 甲雲曰く 真実のところは...
凝る効かむ<イヌサフラン>
背の凝りを馬頭の湯にて癒さむと行く道の端に咲くコルキカム 丹人 もしかして凝りには効...
香の光<金木犀>
帰り来て車のドアを開く手に纏(まと)ふも嬉し金木犀の香り 丹人 一枝を手折りて庵の毛氈...
鴨<池花池>
ひつじ草の盛り過ぎたる池の面に鴨スイスイと十の字を書き 丹人 小美玉市(旧美野里町)の部...
秋のあを<丸葉朝顔>
秋草の茂れる野辺に夏の海もてきて咲ける丸葉朝顔 丹人 秋の陽に丸葉朝顔はなびらの星形...
瑠璃光<菖蒲沢薬師堂>
灯籠のまろき窓より薬師堂の屋根を覆へる瑠璃光の見ゆ 丹人 旧八郷町の菖蒲沢薬師堂の修復...
渺茫<朝日峠>
十月十三日のことなり 菖蒲沢薬師堂の参詣をおへれば 筑波道にもどりて つづら折りなる道を上...