
夏包
秋立ちてなを梅雨空けぬ空を包み静かに閉ぢる朝顔の花 丹人 あきたちて なをつゆあけぬ そ...

朝顔
わが屋戸のこの夏初の朝顔の花の色こそ薄くありけれ 丹人 わがやどの このなつはつの あさ...

八朔
ばたばたと過ぎし七月振り払ひ八朔に咲く花の清けさ 丹人 ばたばたと すぎししちがつ ふり...

百合
一合の酒に酔ひつつ百合のかほりに酔へるゆりの里かな 丹人 いちごうの さけによひつつ ひ...

西陽
射し来たる暑き西陽に花びらを日よけとかざす万両の花 丹人 さしきたる あつきにしびに ...

茗荷
龍の髭のひまゆ茗荷の花咲きてこの夏の日に冥加あらせ給へ 丹人 りゅうのひげの ひまゆみ...

蓮華
野州道二四六号遊の郷に今を盛りに咲く蓮の華 丹人 やしゅうみち にいしいろくごう ゆのさ...

睡蓮
木の間よりこぼるる光に睡蓮の黄金の蕊のそよぎゆくかも 丹人 このまより こぼるるかげに...

韓藍
わが屋戸に赤紅の韓藍の見つめ合ひつつ咲き初めにけり 丹人 わがやどに あかくれないの ...

風鈴
涼やかな音の聞こへて振り向けば光の中に擬宝珠の花 丹人 すずやかな おとのきこへて ふ...