鬼怒川の堤に沿ひて桜木の三十七本今花盛り　丹人 きぬがわの　つつみにそひて　さくらぎの　...

雪混じる穀雨に濡れてわが庵に薫る薄紫の花々　丹人 ゆきまじる　こくうにぬれて...

北山の麓の寺に天上ゆ降り注ぐごと花咲きてをり　丹人 きたやまの　ふもとのてら...

この前に見るはちひさき固蕾の今朝ほんのりと赤味帯ぶ見ゆ　丹人 このまへに　みるはちひさ...

まず咲ける紅花常盤万作の花びら雪を抱く朝かな　丹人 まずさける　べにばなときわ　まん...

くす玉の割れるがごとく紅梅の開きて庵に春立ちにけり　丹人 くすだまの　われるがごとく　こ...

わが庭にはじめて咲きし高砂の百合花二つ種となりたり　丹人 わがにわに　はじめてさきし　た...

赤み帯ぶ葉色ゆかしき片喰の目を細めつつ咲ける花かな　丹人 あかみおぶ　はいろゆかしき　か...

朝日浴びて青うるはしき月草にトッポ・ジージョを思ひぬるかな　丹人 あさひあびて　あをうる...

そのままでいいのよと吾に呟きて傘と咲く花ギボウシの花　丹人 そのままで　いいのよと　あに...