あるとき、わたしはまるい巣穴から、ニョッキリ顔を出した。べつに、理由はない
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むかし、わたしのからだは銀ねず色の毛におおわれていた。それなのに、人間でいうなら猫毛のままなのに、いつのまにか頭の先からつま先まで、真っ白い毛に変っていた。
そして、にぎやかだった巣穴もわたしだけになった。
視線を四方八方にめぐらせ、わたしはぬれぬれした漆黒の鼻をうごめかす。何だか、重たい気があちこちに漂っているような
イヤな気分だ。こんなに天気がいいというのに、どうしてだろう?
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妙に落ち着かず、わたしは巣穴に首をひっこめる気がしなかった。どうしようか?
わたしはキョロキョロ、鼻をヒクヒクさせる。別に異状なさそうだし、でも気持ちが落ち着かない。
そのままの行動を続けながら、わたしはさまざまなことを考えはじめた。どうせ巣穴にもぐったとしても、だれもいない。わたしはひとりぼっちなのだ。
それなら、気の向くまま、暫くこのままでいよう♪
因みに、人はわたしを小動物の何々と呼んでいるそうだ。
つづく
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