
一昨年の冬。
牧カオリは宮城県に行った。
そこで、
牧カオリは風雪に揺れる松ぼっくりを見つめながら、
「目を閉じて眠りの中で、日光降り注ぐ南国のヤシの実の夢を見なさい」と呟いた。
昨年の夏。
牧カオリは宮崎県に行った。
そこで牧カオリは、
記録的猛暑の中で日に炙られる、
ワシントンヤシの小さなヤシの実を見つめながら、
「目を閉じて眠りの中で、風雪に揺れる北国の松ぼっくりの夢を見なさい」と呟いた。
そして今牧カオリは、
腸閉塞で入院した叔母さんの病室で、
宮城県で撮影した松ぼっくりの写真と宮崎県で撮影したヤシの実の写真を見比べながら、
「人の一生なんか、永遠という時の中では瞬きに等しい。だから私たちは永遠という夢を見続けないといけない」と呟いた。
叔母さんはベッドの上で牧カオリに、
「夢も永遠もいいけど先生呼んでちょうだい。かんちょうしてもらうから」と言った。
牧カオリは叔母さんを悲しげに見つめて、
「詩心を持たないブリキの心をお持ちね、あなた」と言った。
叔母さんはムキになり、
「詩心よりウンチしたいのよ❗️あたしは❗️」と怒鳴った!
あらゆる行為、
あらゆる想い、
生まれては消えて消えては生まれる。
そういう意味でケイシロウ、
俺らは夢の中で生きてるかもな!
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