
しのぶが大学を卒業した時の思い出。
しのぶは学業以上に、
チアリーディングでキャンパスライフを過ごしたと言っても過言やなかった。
チア部のキャプテンまで上りつめ、
卒業間近にあっては、
永久名誉キャプテンの地位を、
他の部員に相談することなく、
勝手に自分で作り、
就任までした。
そんなしのぶが憧れに憧れた、
チアリーディング界の影のカリスマ、
クイーン・ギャラクシアが、
しのぶと他の三人の卒業生達に祝辞を述べるという。
今までは、
巨大コケシで現れ、
声を配信するだけで、
実際には会ったことのないクイーン・ギャラクシアと、
ついに顔合わせ。
しのぶは、
人生最大の出来事に遭遇することに興奮した。
しのぶは、
クイーン・ギャラクシアから、
祝辞を述べる場として指定された、
インドネシアへの旅費から宿泊に至るまで手配された中で、
旅立った。
インドネシアのホテルから、
現地人が運転するコケシマークの車で、
山の方へと連れられる。
車から降りたしのぶの前に、
むちゃ長くて高い石段があった。
そして、
この場には、
大学時代のライバルやった、
三人の女がいた。
ひとりは、
北海道地区チア部キャプテンの男爵イモ。
ひとりは、
四国地区チア部キャプテンのどぶ板娘。
ひとりは、
九州地方チア部キャプテンの崩れ山笠。
そして、
中央地区チア部キャプテンの虫除け玉ことしのぶ。
久しぶりの再会に、
四人はインドネシアとインドの違いは何😕?、と、
ダベりあってるところに、
クイーン・ギャラクシアの声が響き渡った。
「わらわは一番上にお前らを待つ!早く来いよ!わらわは、待つのが嫌いじゃ!!」、と。
四人が石段の上を見上げると、
凄まじく高くて、
クイーン・ギャラクシアの姿は、
とても見えない。
けど、
期待に燃えた四人は、
チアリーディング界の影のカリスマにしてレジェンドの、
クイーン・ギャラクシアとの出会いに興奮して、
石段を一歩づつ登った。
どういう訳か、
ひとつひとつの石段の横には露店が出ていて、
しのぶ達が利用せずに登り去ると、
との露店もすぐに片付けて降りる。
けど、
しのぶ達には、
そんなことは、
どうでも良かった。
四人はそれぞれ、
「クイーン・ギャラクシア様」と言って、
涙😢が止まらなかった。
早く、
クイーン・ギャラクシアに会いたい一心で、
登りに登った。
が、
しのぶは喉が渇いたので、
5段ほど上にあるジュース売りの露店で、
ジュースを買った。
1045ルピアもする。
日本円で一万円や。
しのぶは心に、
「オレンジジュース一万円はぼったくり過ぎやないか😡」とキレた。
男爵イモが、
足を痛めたので、
2段上のドラッグストア露店で湿布を買った。
5226ルピアやった。
日本円で五万円😱
崩れ山笠は腹が減ったので、
7段上の、
お好み焼きの露店(😳❓インドネシアでお好み焼き😳😳❓)で、
シーフード玉を食った(豚玉は国が認めてないので無かったらしい)。
これも5226ルピア。
日本円で五万円😱
一段登れば、
露店は片付けられる。
しのぶ達は、
この露店が自分達専用であることをここで知った。
しかもツケ買いが出来る。
四人は帰国して泣くことも知らずに、
いろいろな露店で遊びながら、
上に登った。
あまりに遊び過ぎて、
登る速度が落ちた為、
ペースを上げようとしたが、
体がガチにきつくなる。
登り過ぎ故の過労死を見込んでか、
葬儀専門の露店まである🙀
とにかく、
意識が遠くなるほどの疲労感を克服しながら、
金魚のように口をパクパクさせつつ、
しのぶ達は、
やっとで頂上に到着した。
そして愕然となった❗️
アンと😳
立派な玉座にあったものは、
デカいコケシやった。
しのぶは大声で、
「クイーン・ギャラクシア様!わざわざインドネシアまで呼びつけられて、まだ、ご自身を現されないのですか❗️」と叫んだ!
他の三人は、
がっくりと座り込んでしまった。
すると、
デカいコケシから、
威厳のある女性の声が響いた。
「しのぶよ。お前はカタチだけがすべてだと思うのか⁉️お前たちが社会に出れば、カタチよりも中身か求められることを、わらわは教えたのじゃ。中身の豊かさの現れこそ社会の宝なるぞ!チアリーディングと同じなのだ!カタチではないぞ!中身なのじゃ」
しのぶ達は知った。
ナンで、
この長くて遥かに高い石段のひとつひとつに露店が置かれていたかを。
それは、
元々正体を表す気がなかったクイーン・ギャラクシアの誠意からやったことを。
けど、
しのぶは思った。
「いくら誠意でも、歌舞伎町顔負けのぼったくりやないか🤬❗️」、と。
インドネシアから帰国して、
社会人になったしのぶ達は、
インドネシアの露店のツケを、
ローン会社を通して払いつつも、
カタチに捉えられる以上に中身を追求する生き方を得た。
そして、
いつも四人は会えば語り合うという。
「クイーン・ギャラクシア様には会えなかった。けど、あの石段を一歩一歩登る時に、お互いの気持ちが燃えたやないか」、
と。