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ケイシロウとトークアバウト

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素顔になれなくて😢

2021-09-22 21:40:00 | 日記




コバヤシという知り合いの女性が、
某Amebaというブログに、
子育て記事をあげていた。
今から15年前くらいか🤔
一人息子のリツオが産まれて、
5年間の育児日記を付けていた。

コバヤシの家は、
島根の松江藩ゆかりの名家の流れを汲んでいて、
そのせいもあってか、
リツオの育児は、
気品と叡智をもってなされた。

当然、
リツオは、
覇気のない大人しい性格の子供になり、
感性も傷つきやすく育った。
友達の家で、
刑事ドラマで、
人が射殺されるシーンを見ただけで熱を出し、
数日寝込んでしまう。

さすがにコバヤシは煩悶し、
5歳になったばかりのリツオを、
上級幼児を預かる、
品位ある保育園に預けた。

コバヤシとリツオは、
園長室に通された。
ここの無表情で冷たい感じのする保育士たちに負けず、
園長は、
更にツンツンした年配の女性やった。
コバヤシは園長に、
「ウチの子は感情が弱く、傷つきやすいものですから」と話すと、
園長は冷たく、
「当園におきましては、規律と教訓を重んじる方針ですが、それ以外におきましては、存じあげませんことよ」と言った。
コバヤシは心に、
雪女のイメージさえ浮かんだという。

園長はリツオに、
「あ〜たは、機械の一部の歯車⚙が損じたとき、線路のレールが欠けたとき、コトは重大であることを学ばなければなりません」と言い放ち、
コバヤシに向き直って、
「お子様を尊厳と気品の歯車として、レールとして、教えさせていただきますさかい」と言って、
卓上の鈴を鳴らした。
すぐに保育士の一人が園長に一礼して、
コバヤシ親子を、
教室へと案内した。
その際、
保育士がコバヤシに、
「当園ではトイレは男子用と女子用に分けて使用していますの😒砂場に穴掘って用を足しましたら園長先生が立腹されることよ!」と吐き捨てた。
コバヤシの心の窓ガラスは粉々に割れた😫

教室には、
礼儀正しい子供たちがいた。
一人として、
笑顔を浮かべるもんはいなかった。
リツオが子供たちに丁寧に一礼すると、
子供の一人が、
「あなた。初対面のご挨拶は、膝に手を当てて、深々といたすものよ」と冷たく言った。
コバヤシは、
ここにリツオを連れてきたことを後悔した。

帰宅したコバヤシは、
リツオのことを思うたびに、
気が気じゃなかった。
今頃、
いじめられてると思い、
涙を浮かべた。

お迎えの時間になったので、
足早に保育園へと行った。
上がるとちょうど、
園長がいた。
そしてコバヤシに、
「きにょ(貴女)のお子様はひょうきんでいらっしゃるのね」と冷たく言い捨てた。
コバヤシは、
リツオのどこがひょうきんなのかと訝った。
園長が、
「いらしあそばせ」言うて、
コバヤシを教室に連れて行った。

教室では、
フルボリュームで安来節が流されて、
リツオがメーキャップして、
ザル持って、
ドジョウすくいを踊っていた。
他の子供たちは受けまくり、
馬鹿笑いをしていた。
保育士たちも爆笑🤣していた。
コバヤシが愕然としていると、
園長が冷たく、
「ご自分から申し出られたのです。島根出身だから、安来節を見せたい、と」
コバヤシは返す言葉もなかった。
園長は、
「勇気と配慮の滲み出たお子様ですね」と、
踊るリツオを見ながら冷たく言い放った。
コバヤシは力なく「はぁ」と言った。
園長はツンツンしながら、
「あたくしは、冷静にコトに対処しながらも腹では笑い転げておりますのよ」と言って、
出て行った。

リツオが来て以来、
ここの保育園は、
笑いの絶えないところになった。
リツオは人気者で、
友達から保育士、果ては園長にまで愛された。

コバヤシは、
自分の子供の素顔を見抜けなかったことから、
育児ブログをやめて、
過去記事を削除した。
そしてリツオのドジョウすくいを見て、
リツオそのものが、
掴みどころのないドジョウなのか?
自分自身の我が子を見る目の無かった心がドジョウなのか?
思案に思案した。