
ユキという20代女性がいた。
ゲーム依存症が酷くなり、
不眠症。
そして、
その果てには幻聴や幻視症状まで現れ、
精神科の第三病棟への入院となった。
いわゆる、
閉鎖病棟と呼ばれるところで、
外界とは、
遮断される治療の毎日となる。
医師と家族に連れられて、
ユキは泣く泣く、
第三病棟の個室に入った。
医師からのひととおりの説明が終わり、
家族と別れる。
医師は、
「部長さん(いわゆる婦長のこと)呼んで」と言って、
退室した。
ユキは、
顔を両手にうずめて泣いていたら、
そこに、
白衣に身を包んだ痩せ型の50代女性が入ってきた。
そして、
「泣いてても始まらないのよ。ここで生活する術を身に付けないと」と、
ツンツンしながら語った。
そして、
「要は規律なの。規律に則った生活があなた方を解放するんです」と付け加えた。
ユキは、
「こんなところに入るなんて」と涙をこぼした🥲
女性は、
「泣く暇があるのなら、規律を重んじ規律を身につけるべきね。この病棟では、規律を軽んじる者は、タコ壷に入れますからね!」と声を荒げた。
ユキは恐ろしくなり、
「規律ってどんなものですか?」と問うと、
女性は薄ら笑いを浮かべ、
「知らないの😏規律は生活の心臓なのよ。心臓って知ってるとかあなた方に言っても、安倍首相の下の名前とか平気で言うわね⁉️そんなろうぜきは病棟では許しませんよ‼️」と更に声を荒げた!
ユキが怯えていると、
女性は、
「仕方ないわね。あたくしが規律を教えます」と冷たく言った。
ユキは「お願いします」と小さく答えた。
すると女性は椅子に腰掛けて、
「起立‼️」と叫んで立ち上がった。
ユキは驚き、
「看護師さん。それ、立ちなさいということじゃないんですか?」と言うと、
女性は怒って、
「ナントろうぜきな😡‼️規律は示されたものだと思い込んでるんだわ!」と言って、
ユキを睨みつけて、
「お前みたいなろうぜきは、しば漬けにすべきだわ❗️」と凄んだ!
ユキは慌てて、
「ごめんなさい」と言った。
女性は、
「規律あっての病棟です。あたくしたちナースも患者さんも、規律という決まりごとでお手を拝借してるんです!!」とまくし立てた!
ユキは必死に、
「規律を身に付けます!!」と言うと、
女性は、
「まあ、一歩前進だわ。最初は覚悟することですからね。拒めば、ろうぜきとして、タコ壷に入れられて、しば漬けにされるんですよ!」と強く言った。
そこに、
数人の白衣の人たちが来た。
女性はその者たちを見て、
「遅いわよ。患者を待たせるなんて、ろうぜきな!!ハヨ規律を教えてあそぱせ!!」と怒鳴った!
すると、
白衣の人たちは、
この女性を強制的に連れだそうとした。
女性は驚いて、
「ナニをろうぜきな😡‼️看護協会に言って、タコ壷に入れるわよ‼️」と怒鳴った!
呆気に取られていたユキに、
優しそうな白衣の女性が、
自身を本物の看護部長だと名乗り
「ごめんなさいね。あの人は自分を看護部長だと思い込んでる、隔離室から出たばかりの患者さんなの」と説明した。
ユキが混乱しているところに、
「お前らは看護協会よりも、カトリック教会で異端審問されて、しば漬けになります‼️」という連れ出された女性の声が響き渡った。
看護部長は、
「あの人は、タコ🐙の養殖業に失敗した上にしば漬け専門工場まで倒産させて自分を見失った可哀想な女性です」と言った。
ユキは看護部長に、
「精神の病気は治るんですか?」と問うと、
看護部長は、やさしく、
「完治は難しいかも知れません。けど、精神が乱れても意志を強く持てば、自分を見失うことはないんですよ」と言い、
ユキの手を取って、
「あたしたちと一緒に治療しましょう」と言った。
ユキは涙ぐんで頷いた。
そんな中、
あの女性の声が、
「ろうぜきが‼️タコ壷に入れたあとしば漬けにしてくれるわ‼️」と響き渡った。
ユキは半年後に退院。
服薬はしてるが、
病気が悪化することなく、
フツーに定職について、
今も元気に過ごしている。