
高校3年生のだんご鼻とたらこ唇のオンナ、
牧カオリが、
いつものように、
とある湖で、
岸辺から眺めている。
まだ10代の牧カオリも、
ナニカ100年は生きた感を抱く。
オンナとして生まれ、
オンナとして傷付き泣いて、
そして、
オンナとして、
喜び笑う。
陽に反射している湖面が、
風に小さな波を作る。
思えば、
人生も、
湖面に起こるさざ波の連続かもしれない。
ここから帰れば、
することがたくさんあるだろう。
受験勉強も大事やけど、
ヘアースタイル変えたい。
でも、
明日しよう。
どうせ、
また風が吹いて、
小さく波を起こすのだから。
牧カオリは、
大きく深呼吸😮💨して、
湖に微笑む。
人は、
人である前に、
大地であり、
天空であり、
大海原なのかもしれない。
牧カオリは一人頷いた。
現在を生きれば、
過去も未来も同じこと。
すべては明日に続く。
きょうは、
この美しい湖と別れを告げた後、
作りたてのコロッケ買って帰ろう。
そんな牧カオリも、
実は、
高校を2年も留年していた。
そして、
毎日のように、
この湖の岸辺に立って、
同じことを思い、
同じことを決断した。
いつも、
明日しようと決めて、
毎日コロッケ食って、
5年の歳月。
若年認知かと思われる、
この湖眺めのループ行動を、
当人は、
過去と未来の答えは現在にあるとの自論を譲らず、
こんにちまで来た。
牧カオリの、
ループな1日も終わり、
また翌日に、
ループに同じことを繰り返すんやろう。
当人は、
自身を小波に揺れる湖面やと思ってるんやから。
そして、
5年間も繰り返した、
帰宅前の儀式を行う。
両手広げして、
日光と風を浴びて、
目を閉じ、
「人生ありがとう」と呟く。
と、
そこに、
レフティが、
ながらスマホしながらスケボー乗って、
前に気付かずに、
牧カオリの背中にぶつかった!
牧カオリは、
岸辺から、
湖に落下した。
レフティはスマホ見ながら、
「ごめんね」言うて、
牧カオリを助けることなく、
スケボー乗って、
走り去った!
全身ズブ濡れの牧カオリが岸辺に這い上がり、
遠くに見えるレフティの後ろ姿に、
「叩かるうぞ😡おんどれ🤬‼️」と怒鳴った!
湖は、
なにごともなかったかのように、
陽に映えた湖面を、
風が吹いて小波を作った。