映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

現実に勝る仮想世界無し レディプレイヤーズ1

2018-04-21 05:46:07 | 新作映画
いつからスピルバーグの映画を心待ちにしなくなったんだろう?

激突、カージャック、ジョーズ、未知との遭遇、レイダース、ET、ジュラシックパーク、プライベートライアン、宇宙戦争辺りまでは楽しみにしていたかな。
特に、続激突!カージャック(シュガーランドエクスプレス)には詩情を感じ、まだアメリカを夢の国だと信じていたわたくしには忘れ難い作品となった。その後、ジョーズの記録的な成功もありバジェットの大きな作品が続いたが、コッポラやルーカス達よりコンスタントに面白い映画を提供してくれていた。

カラーパープル以降、段々アカデミー狙いの作品や地味な作りの佳品が増えた頃には、そのラインアップに興味は無くなっていた気がする。評判もすこぶる良いペンタゴンペーパーズなんかもきっと観ないだろうし。

さて、本題の最新作について
久し振りにスピルバーグを意識して観ようと思った作品。
日本生まれのヒーロー達も活躍するらしいとの噂も聞いていたので、それを確かめたいというのも理由の一つ。初日のレイトショウに奥様と二人夫婦50割引で鑑賞してみる。

350人入る小屋に50程度の埋まり。寂しいな
好きじゃないけどヴァンヘイレンが流れ出す。
シャイニングの双子に大笑いしていた声はわたくしの奥様(映画を観る席はお互い拘りがあってかなり離れてます。仲が悪い訳ではありません。どうでもいいでしょうが、念のため)。彼女の話では後方の列ではそこそこ笑い声が聞こえたらしいけど、いつも最前列で映画を観ている自分には奥様の甲高い笑い声しか届かなかった。
サタデーナイトフィーバーを高校生の時観に行って後悔(子供にはつまらなかった)した事を思い出しながらビージーズを懐かしみ、メカゴジラに斬りつける我らが機動戦士の雄姿に心熱くなる。

パーツ毎には楽しめたし、70年代80年代を生きてきた人にとっては懐かしくもある。映画の小ネタも随所に散りばめられているから、それを拾うだけでもお腹いっぱいだ。ゲーム好きな人であればもっと楽しめるのかもしれない。

う~ん。
サマーウォーズ
アバター

リアルとバーチャルって、どっちが映画館で観たいのかな?
映画そのものが仮想だから、仮想の中の仮想観ても仕方ない気がするんだけど。
上記した細田守のサマーウォーズも嫌いじゃ無いけど、バーチャル世界の話には退屈した口。あの映画は現実がちゃんと描かれていたからギリギリ許容できた。逆にキャメロンのアバターはバーチャルこそが現実として作られたから成り立っている。
スピルバーグは上手いけど、欲張り過ぎだ。
ドラマって、どんなに劇的でも、結局は仮想世界でしかないのなら感情移入しようがない。覚めたら消えちゃうなら想い出にもならない。映画館に行ってわたくしたちが観たいのは、映画の中に生きる人々のリアル(現実)なんだ。それがどんなに荒唐無稽であろうが構わない。仮想世界は決して現実を超えることはできないのだ。

考えてみれば、スピルバーグも70過ぎた老人。
いつまでも少年の心のまま映画作ってねとお願いするわたくしが悪い。
少しだけ、残念。
少しだけ、反省。
そんな映画。




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