現場力(げんばりょく)

理科は感動だ!を実践する感動サイエンスteacher。
つながりを活かして社会貢献活動する地域に飛び出す小学校教師。

いじめの芽を破壊する

2006-01-26 | 教育実践
今日は、飛び込みで他の学年を担当した。
こういう時にやんちゃくんは、担当の教師を試す。
わざとじゃないが、叱られる幅を知ろうと試してくるのだ。
アドバルーンを上げるともいう。
だから、叱らない。

黙って、手招きして、床を指差す。
静かに正座をさせる。
落ち着きを持たせるためだ。
正座は立派な教育的行為である。
姿勢良く落ちつくと許される。が、
ほとんどの子は、ごめんなさいをしない。
また呼び戻して、「なんか忘れてる。」
と声をかける。
ごめんなさいをさせて終わり。
あっさりしたものである。

叱るのは、一気に叱る場面だけだ。

その学年は、若干いじめの構造があった。
ある子に対する言葉がきついのである。
やんちゃくんは、叱られるのもへとも思っていない。
給食の時間。
丁度、やんちゃくんが、
その子へ「字が下手な人は、頭が悪い。」といった。

私は、このような声が際だって聞こえる。
「なんていった!」
チャンス到来である。誰だっていじめの構造は、
イヤなものだ。誰かに壊されたがっている。
一気にまくし立てる。
「もう一度言ってみー。(見なさいのこと)」
黙ったまま。顔は、もうやばいという顔である。
「言えないことは言わない。」
「何と言われた?」
「字が下手な人は、頭が悪い。」
「間違いないか。」
うなずく。
ここからは、向山型である。
「みんなに聞きます。今、○○くんは、○○くんに
「字が下手な人は、頭が悪い。」と言いました。
良いことだと思う人?(間をあけないで)悪いことだと思う人?」
みんなの手が上がる。
と、やんちゃくんの友達が手を挙げていない。
ここで詰める必要がある。
「今、一人だけ手を挙げてません。重要な問題だから理由を言いなさい。」
「いえ、間違えました。」
全員の手が上がる。
「周りを見なさい。みーんな悪いことだと思ってます。」

もう泣きそうである。
ここでもう一押し。
やんちゃくんが教師にやりこめられるところを見せしめる。
「いいこと?悪いこと?」
「悪いことです。」
「どうせなん(どうしなければいけない?)」
黙ったまま。
だけど、手にしたバナナを握りしめ泣いている。
謝れないまま時間が過ぎる。
私は、何食わぬ顔で食べる。葛藤の時間がいい。

「間もなく、ごちそうさまの時間です。」


「ごちそうさまでした。」
一緒にごちそうさま。
まだ、泣いている。
言われた○○くんに「もう許すかい?」
「はい。」
「許してくれるんだって!」

これで終わり。
その後一切言わない。
詰めすぎないで逃げ道を作ることも必要。

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1 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
詰めすぎない (佐藤琢朗)
2006-01-26 22:25:51
T・Sさん

コメントありがとうございます。

一番のコメントでした。

向山氏の実践を読んでいて

とっさに起きた出来事でした。
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