一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

黒髪山系逍遙 ……ごく稀にしか見ることができないあの花を求めて……

2013年05月25日 | 黒髪山系
今日、
東京に住んでいる次女が、
友人の結婚式出席のため、
子供を連れて佐賀に帰って来ることになっている。
通常、私は、土曜日は仕事をしているのだが、
佐賀空港まで迎えに行かなければならないので、
今日は休みを取った。
午後の便での到着予定なので、
午前中は山へ行くことにした。

この時期、
黒髪山系には、
ごく稀にしか見ることができない花がいくつか咲いている。
それを見に行くことにしよう。

まずは黒髪山系の盟主・青螺山に御挨拶。


森のなかに入って行く。


低山ではあるが、深山の趣がある。


沢の水は澄み、


ハヤが棲みついていた。


さらに森に分け入る。


森のなかにいると、本当に心が安らぐ。


森を彷徨っていると、
岩に鎮座した樹木に出会った。




圧倒的な存在感があった。


黒髪山系には、このように岩に根を張った木々が多い。


岩を掴む手のようにも見える。


斜面を登りつめ、


岩場に出ると、
トベラがたくさん咲いていた。


花は良い香りがした。


ヤマツツジもたくさん咲いていた。


色鮮やかな赤、
目に眩しいほどに……


おっ、咲いてる!
分類的には樹木(マメ科)。
岩場に生える30~50cmの落葉低木。


国内では、
この黒髪山系と、
長崎県と大分県のごく一部でしか見ることのできない花。


この花の場所は、誰かに教えてもらったわけではなく、
数年前、私自身が自分で見つけた。


見つけたときは、本当に嬉しかった。


下から見ても、得も言われぬ美しさ。


この花の咲いている場所からそう遠くない所で、
黒髪山系でしか見ることのできないあの花も咲いていた。


今年も逢うことができた。
嬉しい。


短い時間であったが、
誰もいない静かな場所で、
濃密なひとときを過ごすことができた。
感謝。

午後、佐賀空港へ、次女と孫娘を迎えに行った。
半年ぶりに会う2歳の孫娘は、
母親の陰に隠れて恥ずかしそうにしていた。
「ほら、ジイジだよ」
と母親に促されると、
「ジイジ」と声に出して、ニコッと笑った。

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