一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

南アルプスひとり旅(北岳・仙丈ケ岳)① ……大樺沢から白根御池小屋まで……

2017年07月09日 | 南アルプス(北岳・仙丈ケ岳)単独行


7月上旬に連休が取れることになり、
7月3日(月)から7月7日(金)の5日間、
南アルプスの北岳と仙丈ケ岳を歩いてきた。

なぜ北岳と仙丈ケ岳なのかは、後ほど語るとして、
7月2日(日)に仕事を終えた私は、
すぐに電車に飛び乗り、
新幹線や夜行バスを乗り継いで、
翌朝(7月3日)、甲府駅に到着。
甲府駅から再びバスに乗り、
北岳の登山口である広河原に降り立ったときには、
すでに午前11時頃になっていた。

梅雨の真只中であるし、
夏休みにも入っていないし、
平日であるし、
登山者は少なかった。
ここからゆっくり歩き出す。


長い吊り橋を渡る。


広河原山荘の前で衣服調整をし、


再び歩き出す。


やがて樹林帯のコースと大樺沢(おおかんばさわ)のコースの分岐に到着し、


私は左の大樺沢のコースへと入って行く。


美しい沢が流れ、


小さな滝がいくつもあった。


ここから右岸へ渡る。


いよいよアルプスなのだとワクワクする。


いろんな花が出迎えてくれる。












小さな沢をいくつも横切る。


なんて素敵な道なんだろう。


この橋を渡り、再び左岸に戻る。


雪渓が近づいてくる。


ここから先も、いろんな花々が私を歓迎してくれる。






雪渓が見えてきた。
7月上旬のこの時期は、まだ雪がたっぷり残っていて、本当に美しい。


雪渓の横の夏道を、ゆっくり登って行く。


嬉しくてたまらない。


やがて夏道は雪渓の中に消え、
ここから雪渓歩きとなる。


アイゼンを装着するほどではないが、
慎重に歩を進める。


贅沢な時間。


大樺沢二俣が見えてきた。


私がこの時期に北岳に来た理由のひとつは、
この風景を見るためであった。


振り返ると、こんな感じ。


アルプスならではの風景。


ここで珈琲を淹れて、
この風景を存分に楽しんだのだった。


ここから先は、
直進して八本歯のコルを目指す大樺沢コース(この時期はアイゼンとピッケルが必要)、
分岐を右に折れ、お花畑から北岳肩ノ小屋を目指す右俣コース(下山はこのコースを歩いた)、
右後方に戻るように分岐する白根御池小屋へ至るコース、
に3分される。


私はこの日、白根御池小屋に泊まる予定だったので、
三つ目のコースへと歩き出す。


このトラバース道は緑が美しく、
しかも誰にも会わず、
本当に楽しい道だった。


ここでも多くの花々に出逢った。






30分ほどで、白根御池に到着。


水面に映る山が美しかった。


白根御池小屋に到着。


なぜこの山小屋を選択したかというと……
私は樋口明雄の小説「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズを愛読しており、
その救助隊の派出所が白根御池小屋に隣接しているという設定なのだ。
もちろん架空の設定なのだが、
その場所は、白根御池小屋の横の、


機械室がある場所なのだそうだ。


白根御池小屋の本棚には、樋口明雄の本が並べられており、


サイン本も販売されていた。


「北岳にようこそ」とは嬉しい言葉だね。


私は、「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズを思い出しながら、
小屋の周囲を散策し、




ベンチに腰掛けて、ソフトクリームを舐めながら、


風景を楽しんだ。


午後5時。
夕食の時間となり、
美味しい夕食を頂きながら、


新人バイトさんからの小屋の説明などを聞いた。
(左端が、小説にも出てくるおかみさん。優しく素敵な方です)


素晴らしい南アルプス第1日目であったが、
台風が近づきつつあり、
波乱の予感が……

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