一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

2012年極私的回顧 ……こうして私は「六十九日の王」となった……

2012年12月30日 | 年度別山行記録
今年の山行日数は69日。
昨年が70日だったので、昨年とほぼ同じ日数、山へ行くことができた。
このことに関しては、大満足であった。
今年の特徴として、単独行が増えたことが挙げられる。
山行日数69日のうち、単独行は53日。
単独行率、約77パーセント。
今年行った登山の8割近くが単独行だったということになる。
単独行を意識して多く行うようになったキッカケは、
やはり、2010年8月に行った「剱岳・立山連峰・大日三山」ソロトレッキング」にある。
この単独行により、すっかり単独行にハマッてしまった。
当時、山岳会に所属していた私は、
山岳会の月例山行が、私の登山の中心にあった。
特に、遠くの山へ行くときは、集団で登るのが当たり前になっていた。
単独で登ることもあったが、
それは月例山行のための訓練の意味合いの方が強かった。
だが、「剱岳・立山連峰・大日三山」ソロトレッキング」以来、
単独行が私の山歩きの中心になってしまった。
単独行のワクワク感、ドキドキ感に捕らえられてしまった。
単独行のヒリヒリするような感覚は、
集団での歩きでは得られないものであったのだ。
2011年1月の月例山行を最後に、
私は山岳会の山行には参加しなくなり、
2011年末には山岳会を退会。
2012年の今年は、
どこにも属さない単独行者としての1年であった。
そういう意味で、私の個性が強く出た今年の69日であったかもしれない。

昨年同様、
今年の69日の山行をリストアップし、
特に印象に残った山行ベスト10を選んでみたい。

【2012年山行記録】
(1)1月3日「久住山・中岳・天狗ヶ城」
(2)1月8日「天山」(単独行)
(3)1月12日「岸岳」(単独行)
(4)1月15日「高崎山」海抜0mから山頂へ
(5)1月19日「朝ノ気岳・高筈岳・将冠岳・弓張岳」佐世保の山
(6)1月26日「英彦山」高さ30mの大氷瀑へ
(7)2月2日「天山」(単独行)
(8)2月9日「八幡岳」麓から山頂へ(単独行)
(9)2月12日「黒木郷」セリバオウレン(単独行)
(10)2月19日「天山」麓から山頂へ(単独行)
(11)2月26日「仰烏帽子山」フクジュソウ&霧氷
(12)3月4日「猟師岩山・鬼ヶ鼻岩」(単独行)
(13)3月11日「登吾留山」幻の滑滝
(14)3月15日「井原山」(単独行)
(15)3月22日「経ヶ岳・笹岳・西岳・多良岳」マンサク(単独行)
(16)3月25日「鬼ノ鼻山」麓から山頂へ(単独行)
(17)3月29日「青螺山・河内岳」
(18)4月1日「鬼ノ鼻山・聖岳」麓から山頂へ(単独行)
(19)4月5日「人形石山・国見山」海抜0mより山頂へ(単独行)
(20)4月8日「八幡岳」(単独行)
(21)4月12「鬼ノ鼻山」麓から山頂へ(単独行)
(22)4月16日「屋久島」①
(23)4月17日「屋久島」②
(24)4月18日「屋久島」③
(25)4月26日「八幡岳」(単独行)
(26)4月29日「登吾留山」(単独行)
(27)5月6日「多良山系」ツクシシャクナゲ(単独行)
(28)5月10日「八幡岳」(単独行)
(29)5月13日「八幡岳」自然観察会
(30)5月17日「登吾留山」シライトソウ(単独行)
(31)5月24日「黒髪山系・隠居岳」(単独行)
(32)5月27日「隠居岳」ヤマツツジ
(33)6月3日「天山」麓から山頂へ(単独行)
(34)6月10日「女山(船山)」麓から山頂へ(単独行)
(35)6月17日「作礼山・897ピーク」麓から山頂へ(単独行)
(36)6月24日「鬼ノ鼻山」麓から山頂へ(単独行)
(37)7月1日「天山」麓から山頂へ(単独行)
(38)7月8日「天山」ゼロ to ゼロ(唐津湾から有明海へ)佐賀県横断14時間単独行
(39)7月15日「牧ノ山」(単独行)
(40)7月22日「栂海新道~白馬山」①(単独行)
(41)7月23日「栂海新道~白馬山」②(単独行)
(42)7月24日「栂海新道~白馬山」③(単独行)
(43)7月25日「栂海新道~白馬山」④(単独行)
(44)7月29日「井原山・登吾留山」
(45)8月5日「登吾留山」キバナノヒメユリ(単独行)
(46)8月9日「天山」(単独行)
(47)8月16日「樫原湿原」サギソウ(単独行)
(48)8月19日「二丈岳・沢登り」
(49)8月26日「天山」(単独行)
(50)9月2日「天山」(単独行)
(51)9月6日「作礼山」(単独行)
(52)9月13日「天山」(単独行)
(53)9月20日「登吾留山」ウスキキヌガサタケ(単独行)
(54)9月23日「天山」(単独行)
(55)9月27日「長崎街道(出島~市布)」
(56)9月30日「登吾留山」ダンギク
(57)10月4日「作礼山」(単独行)
(58)10月8日「天山」
(59)10月14日「登吾留山」センブリ(単独行)
(60)10月21日「黒髪山系大縦走」周回ルート(単独行)
(61)10月27日「佐志岳」
(62)11月1日「志々伎山」(単独行)
(63)11月7日「六甲全山縦走」海抜0mから(単独行)
(64)11月18日「鬼ノ鼻山・聖岳・西溪公園」(単独行)
(65)12月2日「天山」(単独行)
(66)12月13日「聖岳」御来光登山(単独行)
(67)12月16日「眉山(佐賀県)」(単独行)
(68)12月20日「隠居岳」(単独行)
(69)12月27日「眉山(佐賀県)」

【今年、強く印象に残った山行ベスト10】
(順位ではありません・日付順)

1月3日「久住山・中岳・天狗ヶ城」
今年最初の山行で、素晴らしい霧氷に出逢った。
「2012年に登った山のベスト10のひとつがもう決定!」
とブログで宣言しているのが可笑しい。
宣言通り、ベスト10に選出。


1月26日「英彦山」高さ30mの幻の大氷瀑へ
豊津の信ちゃん・俊ちゃんの案内で見ることができた大氷瀑。
高さが30mもあり、大迫力であった。


2月26日「仰烏帽子山」フクジュソウ&霧氷
フクジュソウと霧氷を同時に見ることができ、大感激。
それに、私のブログの愛読者や、大川山人会のエミリーさん、
『Green Walk』誌でお馴染みの外西敬二氏にもお会いすることができ、
本当に奇跡のような一日であった。


3月11日「登吾留山」幻の滑滝
そよかぜさんの案内で見ることができた登吾留山の幻の滑滝。
最初から最後まで、とことん美しい渓であった。
このような知られざる美しき渓が、どの山域にもあるに違いない。
いつか、私も、自分だけのシャングリラを発見できたらと思った。


⑤海抜0mから海抜0mへ・屋久島完全縦走(単独行)
  4月16日「屋久島」(楠川歩道~大株歩道)
  4月17日「屋久島」(平石岩屋~宮之浦岳~永田岳)
  4月18日「屋久島」(花山歩道~大川の滝)
雨の日に屋久杉の森を歩きたい。
花山歩道を歩きたい。
九州最高峰の山(宮之浦岳)に海抜0mから登りたい。
できれば「ゼロ to ゼロ」(海抜0nから海抜0mへ)も達成したい。
それが実現した、私にとって完璧な3日間。


7月8日・「天山」ゼロ to ゼロ(唐津湾から有明海へ)佐賀県横断(単独行)
海抜0mから天山に登りたいと思い、
昨年(2011年)7月17日に、唐津湾から天山に登った。
同じく昨年(2011年)11月17日に、今度は有明海からも天山に登った。
この両方の海(唐津湾・有明海)から登って以来、
いつの日か、天山での「ゼロ to ゼロ」(海抜0mから海抜0mへ)ができないかと思うようになった。
その夢がようやく叶った日。


⑦海抜0メートルから登る北アルプス「白馬岳」(単独行)
  7月22日・親不知~白鳥山(白鳥小屋)
  7月23日・白鳥山~朝日岳(朝日小屋)
  7月24日・朝日岳~白馬岳(頂上宿舎)
  7月25日・白馬岳~大雪渓~猿倉~佐賀
北アルプス最北部、朝日岳から日本海親不知海岸へ向けて、
真っ直ぐに北上する一本の縦走路「栂海新道」(つがみしんどう)。
この「栂海新道」を、海抜0メートルから歩いてみたい……
できれば、朝日岳(2418m)の先にある白馬岳(2932.2m)まで……と思った。
それが実現した4日間。
「北アルプス最後の楽園」である黒岩平・アヤメ平の広大なお花畑を独り占めしたことが忘れられない。


⑧花との出逢い
  8月5日「登吾留山」キバナノヒメユリ(単独行)
  9月20日「登吾留山」ウスキキヌガサタケ(単独行)
  10月14日「登吾留山」センブリ(単独行)
今年は希少種の貴重な植物と多く出逢った。
誰も知らない私だけの「秘密の花園」に感動。


10月21日・周回ルートで歩く黒髪山系大縦走(単独行)
普通は車をどこかにデポして数人で行う黒髪山系大縦走であるが、
単独で行うにはどうしたらいいか……と、考え出したのが、この周回ルート。
9時間かかったが、充実した山行であった。


11月7日・海抜0mから登る「六甲全山縦走」(単独行)
『孤高の人』加藤文太郎が歩いたことで有名な六甲全山縦走路は、
六甲山系の西端の須磨から、東端の宝塚に至る、全行程56kmの縦走路。
須磨海岸から歩いた分や、道を間違えて余計に歩いた分も入れて、
約17時間で到着。
強く思い出に残る縦走であった。


この他にも印象に残る山行はたくさんあった。
それだけ充実した一年であったということだろう。
今年も素晴らしい一年であった。
来年も素晴らしい一年でありますように……
そして、みなさんにとっても幸せいっぱいの一年でありますように……
来年、また、
どこかの山で、
そして、このブログ「一日の王」で、
お会いしましょう

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