一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

黒髪山系の秋をたずねて ……ひとりの山 ひとりの時間……

2009年10月15日 | 黒髪山系
今日は黒髪山系をひとりで歩いてみようと思った。
先日、「八幡岳の秋をたずねて」というネイチャー佐賀の催しに参加して、とても楽しい時間を過ごした。
今日は、「黒髪山系の秋をたずねて」という催しを個人的に企画した。
参加者は私ひとり。(笑)

今年は黒髪山系と不思議と縁があった。
英山から黒髪山、青螺山、牧ノ山を経て腰岳に至る黒髪山系大縦走を、二度も経験した。
北アルプス遠征のための訓練として山岳会のメンバーと暑い夏に過酷なルートを歩いた。
ネット仲間とクロカミランなどの植物観察でも歩いた。
ひとりで歩く機会が意外に少なかった。
今日は、ひとり気ままに、いろんな場所に寄り道しながら、黒髪山系の秋を楽しんでみたい。
平日だから、きっと登山者にもあまり会わないだろう。

竜門ダムから見る早朝の青螺山。
いつもの場所からの眺め。
黒髪山系といっても広いので、今日は青螺山から黒髪山へ縦走してみることにした。


竜門登山口から青牧峠にむけて登山開始。
しばらく登った所で、自生のサザンカを発見。
鬼ノ鼻山などで見る植栽されたサザンカとは印象がかなり異なる。
やはり自生種は好い。
もとは自生地の北限が佐賀県とされていたが、今はどうなのだろう。


このルートには、私の、プライベートビーチならぬプライベートロック(笑)がある。
そこでしばし休憩。
遠くに隠居岳が見えた。


素晴らしい登山道。


木漏れ日の中をひとり歩く。


この艶めかしい木は、まだイチャイチャしてました。( ´艸`)


朝日を浴びる岩壁。


ヤブコウジの赤い実。
高さ5~10cmの常緑小低木。
本当にカワイイ。


こちらはミヤマシキミ。
この時期、黒髪山系を歩くと、よく目にする。


青螺山山頂着。
誰もいない。
ホッとする。


幾重にも重なり合う山々を見ながら、コーヒーブレイク。
贅沢な時間。


黒髪山に向かって歩き始める。
所々に黄葉した木々があって、秋を感じさせる。


足許には、アキノキリンソウ。


私の好きな場所に到着。
眺めを堪能する。
ここまで誰にも会っていない。
ひとりの時間がもっと永く続くといいな~


見返峠を経て、急坂を登る。
この登山道には、ガラスのように黒光りする岩がたくさんある。
黒曜石かな?


黒髪山山頂に到着。


山頂には、中年夫婦が一組のみ。
でもすぐに下山されたので、山頂ではまたひとりの時間を満喫できた。
サンドイッチを食べながら、珈琲を飲む。
眺めも抜群。
黒岳の向こうに、眉山・八幡岳・船山(女山)が見えた。


「後の平」へ向かう途中にある展望岩から見た青螺山。


左に目を転ずると、牧ノ山。
ここからの眺めは本当に素晴らしい。


ヌマダイコンの白いブラシのような小さな花。


ヒノキシダの緑が目に眩しい。


美しい滑床が続く。
ここも私の好きな場所。


落ち葉が水の中でたゆたっていた。


今日は、5時間ほど山の中にいた。
結局、人に会ったのは、あの黒髪山山頂の中年夫婦のみ。
ひとりの山を存分に楽しませてもらった。
今日、逢えて嬉しかった花・ベスト5。

シコクママコナ。


ヤマラッキョウ。


イブキジャコウソウ。


ブゼンノギク。


そして、もっとも逢いたかった花は、これ。
開花には少し早かったようだ。


でもよく探すと、ちょっと開いている花がありました。


やはり美しい!


「ひとりの山 ひとりの時間」をたっぷり楽しんだ一日でした。
青螺山が素敵な笑顔で見送ってくれました~♪

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