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本作『超高速!参勤交代 リターンズ』は、
2014年6月21日に公開された前作『超高速!参勤交代』の続編である。
続編なので、まずは前作『超高速!参勤交代』のあらすじを簡単に紹介しておこう。
享保20年(1735年)、
磐城国(現在の福島県いわき市)の湯長谷藩の藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は、
金山略奪を狙う江戸幕府老中・松平信祝(陣内孝則)の差し金により、
幕府から突然の参勤交代を命じられる。
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通常10日はかかる道のりを、
実質4日で参勤せよとの無理難題。
藩主・内藤政醇率いる、わずか1万5000石の弱小貧乏藩の藩士たちは、
金も、時間も、人手もない中、
超高速で走り抜け、
奇想天外な作戦で見事参勤を果たす。
そして、参勤の成功により陰謀を阻まれた信祝は、
一連の騒動を招いた罰として、蟄居(謹慎処分)を命じられる。
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あまりにも奇想天外過ぎて、
物語としてはとても面白いのだが、
どうしてもB級映画的な印象が否めず、
このブログにはレビューは書かないで終わってしまった。
ひとつ心残りだったのは、お咲役の深田恭子のことで、
〈彼女のことだけでも書いておけば良かったかな……〉
と、のちに後悔したのを覚えている。
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物語の中盤、政醇(佐々木蔵之介)は、
途中の待ち合わせ場所の宿「鶴屋」で、
他の飯盛り女と揉めて折檻を受けていたお咲(深田恭子)を見つけ、
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自分の部屋に呼び介抱する。
「金のため親に売られた」と話すお咲に対し、
政醇は厳しい乳母に育てられた自身の境遇を重ね、心を通わせていく。
そして、お咲を連れて江戸に向かい、
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参勤が成功した後、お咲を側室に迎えることにする。
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出演シーンはそれほど多くないのだが、
この映画でのお咲役の深田恭子はとても存在感があった。
深田恭子の着物姿をあまり見たことがなかったということもあって、
新鮮だったし、魅力的だった。
男ばかりの出演陣の中で、紅一点として輝いていた。
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『超高速!参勤交代 リターンズ』という続編が作られるという話を聞いたときに、
最初に思ったのは、
〈また、あのお咲さん(深田恭子)に逢いたいな〉
いうことだった。
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続編である本作『超高速!参勤交代 リターンズ』は、
前作で行きの“参勤”を果たし藩の取り潰しを免れた湯長谷藩一行が、
帰りの“交代”でさらなる大ピンチに見舞われるさまを描いている。
主演の佐々木蔵之介をはじめ、
深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児、市川猿之助、石橋蓮司、陣内孝則、西村雅彦ら主要キャストが続投するほか、
古田新太、渡辺裕之、中尾明慶、宍戸開ら、新たな面々が参戦している。
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江戸時代、幕府から5日以内の“参勤”という無茶な難題を、
知恵と工夫で何とか果たした湯長谷藩。
だが、そもそも参勤交代とは、“参勤”だけでなく、
藩に帰る“交代”まで終えてこそ完結するもの。
湯長谷藩の参勤交代は、まだ終わっていなかったのだ。
藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)率いる一行は、
帰途に就く“交代”の道中、
湯長谷で一揆が起きたという知らせに仰天する。
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この一揆、実は、政醇らに打ち負かされた老中・松平信祝(陣内孝則)が、
復讐のため湯長谷藩を壊滅させようと仕組んだものだった。
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2日以内に一揆を収めなければ、藩のお取り潰しは免れないのだ。
一揆を鎮めるため、彼らは大急ぎで(行きの倍の速さで)帰るはめに……
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川で溺れ、お尋ね者になり、謎の刺客に襲われ、
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命からがら湯長谷にたどり着くが、
すでに城は乗っ取られた後だった。
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黒幕・松平信祝が率いる幕府軍は、1000人、
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対する湯長谷藩は、たったの7人。
果たして彼らは城を奪い返し、民を守ることができるのか?
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前作『超高速!参勤交代』ほどのインパクトはないが、
本作『超高速!参勤交代 リターンズ』も面白かった。
最初から最後まで、退屈することなく、楽しく見ることができた。
前作『超高速!参勤交代』で第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した土橋章宏が、
本作でも脚本を担当しており、
テンポの良さで見る者を飽きさせない。
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お人好しだが民に愛される閉所恐怖症の藩主・内藤政醇を演じた佐々木蔵之介は、
前作に増しての安定感で、主演としての役割を十分に果たしていた。
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知恵者の家老・相馬兼嗣を演じた西村雅彦、
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刀剣の腕に秀でる荒木源八郎を演じた寺脇康文、
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常に冷静沈着な秋山平吾を演じた上地雄輔、
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弓の名手・鈴木吉之丞を演じた知念侑李、
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二刀流の増田弘忠を演じた柄本時生、
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槍と料理の腕に秀でる今村清右衛門を演じた六角精児、
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抜け忍の旅先案内人・雲隠段蔵を演じた伊原剛志、
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八代将軍徳川吉宗を演じた市川猿之助、
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老中首座・松平輝貞を演じた石橋蓮司など、
前作でお馴染みのキャストが、
前作に増しての好演で作品を盛り上げる。
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なかでも、老中・松平信祝を演じた陣内孝則は一段とパワーアップしており、
その怪演ぶりに思わず笑ってしまうほどであった。
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意外だったのが、大岡忠相を演じた古田新太。
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配役も意外であったが、
その張りのある声、堂々とした演技で、
見る者をうならせる。
さすが「劇団☆新感線」の看板俳優である。
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その他、
諸坂三太夫を演じた渡辺裕之、
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荒木源八郎の妻・荒木富江を演じた富田靖子などが印象に残った。
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そして、最後に、この人、
お咲を演じた深田恭子。
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本作でも私の期待を裏切ることはなかった。
それほど演技は上手いとは思わないのだが、
その存在感は抜群で、実に魅力的。
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いつも思うのだが、深田恭子ほど、
男性にも女性にも愛されている女優はいないのではないだろうか?
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若い頃も可愛く、美しかったが、
30代の今は、清潔な色気も加わり、一段と魅力を増している。
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今年TBS系で放送されたドラマ『ダメな私に恋してください』(2016年1月~3月)も、
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深田恭子の魅力に引きずられて、最後まで観てしまったし、
これからも彼女から目が離せない……
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お咲を演じた深田恭子に逢いたくて見に行った映画『超高速!参勤交代 リターンズ』。
極上の痛快歴史エンターテインメント作品であった。
映画館で、ぜひぜひ。