一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』……謎の美女に釘づけ……

2015年08月21日 | 映画


夏休みのこの時期、
映画館はお子様向けの作品中心で、
私が見たい映画はほとんどないのだが、
先日、他に見たい映画がなかったこともあって、
『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』を見た。
御存じ、トム・クルーズ主演の人気シリーズで、
これまで、
『ミッション:インポッシブル』(1996年)
『M:I-2』(2000年)
『M:i:III』(2006年)
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)
が制作されており、
本作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)は、
シリーズ5作目となる。
このようなアクション映画は、
「あ~面白かった」
で終わることが多く、
ブログ「一日の王」でレビューを書くことはあまりないのだが、
今回見た『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』は、
〈ちょっと書いておこうか〉
と私に思わせるほど、心に残った。
で、今、書き始めているところなのである。


IMFのベテランエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、
謎の多国籍スパイ組織《シンジケート》を秘密裏に追跡していた。


そんなある日、
イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるが、
そこはすでに《シンジケート》の手に落ちており、
催涙ガスによって眠らされてしまう。
目覚めると後ろ手に拘束されており、
目の前には謎の美女イルサ(レベッカ・ファーガソン)と、
3年前に死亡したはずのエージェントがいた。
まさに拷問が始まろうとしたその時、
イルサは驚くべき格闘術でイーサンを脱出させる。
一方その頃、
CIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)の進言により、
IMFは政府から解体を命じられてしまう。


しかも、過去に数々の騒動に関わっていたイーサンは、
CIAによる国際手配を受けてしまうのだった。
それから6ヶ月後、
IMFの元メンバーはハンリーの監視を受けながら、
それぞれCIAから与えられた任務をこなしていた。
だが、イーサンだけはCIAから身を隠しながら、
独自に《シンジケート》を追い続けていた。
《シンジケート》とは、
「死んだと思われている各国のスパイ達が集まってできた、ならずもの国家」
であると突き止めたイーサンだったが、
一人ではその陰謀を食い止めることはできず、
仲間のベンジー(サイモン・ペグ)に協力を依頼する。


イーサンはベンジーと共に《シンジケート》の作戦を食い止めようと奔走するが、
そこでイルサとの再会を果たす。


イルサの正体を、
《シンジケート》に潜入中のイギリスの諜報員だと見破ったイーサンだったが、
敵の作戦を阻止することはできず、
オーストリア首相の暗殺を許してしまうのだった。
イルサから、
《シンジケート》のボスであるソロモン・レーン(ショーン・ハリス)の極秘情報が入力されたデータファイルが、
モロッコの発電所の地下にある極秘施設に眠っていることを知らされたイーサンは、
それを敵よりも早く入手するために、
再び危険なミッションへと挑むのだった……



この映画を見ている最中、
私は、本作とまったく関係のない、『カサブランカ』という映画を思い浮かべていた。
1942年にアメリカで制作され、
1946年に日本で公開された、
ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが出演した、
かの名作をだ。
なぜ『カサブランカ』を思い出したかというと、
謎の美女イルサを演じたレベッカ・ファーガソンが、
イングリッド・バーグマンによく似ていたからである。


顔が似ているだけではない、
名前も、
イングリッド・バーグマンが『カサブランカ』で演じた「イルザ」に対して、
レベッカ・ファーガソンが演じた謎の美女の名は「イルサ」なのだ。
しかも、映画の重要な舞台として、モロッコのカサブランカも登場する。
これだけ条件が揃えば、
映画『カサブランカ』を思い浮かべないわけないではないか。


謎の美女イルサ(レベッカ・ファーガソン)がスクリーンに登場したときから、
私の目は彼女に釘づけてあったのだが、
私はこれまでこの女優を知らなかった。
そのレベッカ・ファーガソンとは、いったいどのような女優なのか?
調べてみると、
やはり、日本ではほとんど知られていない女優であった。


【レベッカ・ファーガソン】(Rebecca Ferguson)
1983年10月19日、スウェーデンのストックホルムに生まれる。
母国でTVドラマに出演し、
同国でロケが行われたケネス・ブラナー主演の英TVドラマ『刑事ヴァランダー』にも参加する。
その後、英ロンドンを拠点に活動し、
BBCの歴史ドラマ『The White Queen』で主人公のエリザベス・ウッドビルを演じる。
同作で第71回ゴールデングローブ賞ミニシリーズ・テレビ映画演技賞の主演女優賞にノミネートされた。
2014年には、
ドウェイン・ジョンソン主演の歴史アクション映画『ヘラクレス』でハリウッドに進出。


と、まあ、この程度しか情報がない。
それほど日本では知られていない女優なのだ。
驚いたことに、
イングリッド・バーグマンと同じくスウェーデン生まれの女優であった。
北欧美女特有のあの愁いを帯びたような美しさは、
やはり同じ風土で育まれたものであったのだ。


『カサブランカ』は、名ゼリフが散りばめられた作品であったが、
本作『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』もまた、
印象に残るセリフが多く、
ことに、トム・クルーズとレベッカ・ファーガソンの間で交わされるセリフは秀逸。
監督と脚本を担当したクリストファー・マッカリーの功績と言えるだろう。
『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)でアカデミー賞脚本賞を受賞したことのある実力がいかんなく発揮されている。
『カサブランカ』のラストシーンと同じく、
『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』のラストシーンもまた、
語り継がれていくことであろう名シーンであった。


今回、私は、
レベッカ・ファーガソンと『カサブランカ』のことばかり書いているような気がするが、
『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』という映画自体も、
とても面白い作品であった。
上映時間131分は、本当にアッという間だった。
アクションもストーリーも文句なし。
私は、映像をより楽しむために吹替版で見たが、
今度は字幕版でも見たいと思ったほど。
見て損のない作品である。


私にとっては、レベッカ・ファーガソンという女優を知ることができただけでも、
大収穫であった。
今後、
メリル・ストリープ主演の『フローレンス・フォスター・ジェンキンス(原題)』への出演も決まっているようだし、
『X-MEN』シリーズスピンオフ『ガンビット』のヒロイン候補に名前も挙がっているようなので、
またスクリーンで逢える機会も増えていくことだろう。
本当に楽しみ。
単なるアクション映画ではない『ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション』。
あなたも、ぜひ……

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