くない鑑

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サントリー美術館の「天地人展」

2009年11月29日 | くない卿見聞記
いまからちょっと前の、蒸暑い文月の始め頃の話(^^ゞ
六本木のミッドタウン内にあるサントリー美術館で開かれていた、特別展「天地人-直江兼継とその時代-」を観てきました。

今日からの「坂の上の雲」と、来年の「龍馬伝」に予算を取られ、先週(日)で打ち切られた(違)
NHK大河ドラマ「天地人」
私的には、あまりの駄作に耐えらず、早々に観るのを打ち切ったんですが、この特別展はそれとは全く異なり、とても秀逸で、観応え十分過ぎだったと記憶しています。
いや、ある意味、比べるのもおこがましいほどですが。

残念ながら、もう、4ヶ月ほどのことなので、あまり詳しくは覚えていないんですが(^^ゞ
出迎えてくれたのは、確か、誰かの甲冑だったかと思います。
この他、貴重な史料が目白押しで、確か、世に名高き「直江状」も展示されていました。
そんなんで、サントリー美術館の、あの、落ち着いた雰囲気とも相まって、内心大興奮!しながら観てきた・・・と、記憶しています。
ただ一点,展示の最後に観た「洛中洛外図屏風」上杉本のことだけは、強烈に覚えています。
何せ、これを観たいが為に行ったようなものなので(笑)

当たり前ですが、ガラス越しからの観覧なんですが、それが非常に至近距離で、手の届く距離からじっくりと、舐める様にして観られた事が何よりも嬉しく、また、大興奮!しました。
それこそ、もう、鼻血が出るんじゃないの?!と思うほどの興奮です(笑)
美術的はさることながら、史料的な面でも価値が非常に高いこの屏風を観られて、もう、大満足しました。
確か・・・この屏風だけで30分くらい、一つ一つ確かめながら観ていたと・・・思います。

そんな点から、補足として。
打ち切られた「天地人」では、信長が、役目なき絵師に命じて作らせていましたが...
上杉本の作者は狩野永徳(もしくは狩野派)とされています。
あの世で狩野永徳とその匠衆が聞いたら、きっと怒ると思いますよ。
せっかく入れ込んで作った力作なのに、ぞんざいに扱われて。
また、「信長が作成を命じた」ようで、確か、絵師の後ろで腕を組み、その過程を見ていた・・・と記憶していますが、注文主が信長ではなく、室町殿足利義輝公であることは、論を待たないこと。
足利幕府の美しき流れを取り戻そうとした光厳院殿様に関心のある私としては、全くもって、如何に無知な作家のフィクションと解っていても、忸怩たる思いがします。
「天地人展」を観に行く前、瀬田勝哉『洛中洛外の群像 失われた中世京都へ』(1994年 平凡社)をちょっと読んでいったので、よりそれを確証できました。
特に、観ていて一番興奮したのは、左雙三扇に描かれている行列。
耳にした俗説によると、信長が謙信を招いているところ・・・らしいですが、注文主が足利義輝公になると、この見解も変わってきます。
即ち、これは、謙信公を頼みとしている室町殿義輝公が、謙信公に「上洛を促すメッセージが込められている」と解釈されています。
学説を踏まえて、私的な見解をちょっと加えると、行列は管領クラスの高位高官とされていますが、先頭の馬には、赤い鞍覆描かれています。
これはひょっとして...
越後守護家が断絶して、室町殿より使用を許可された白傘袋と毛氈鞍覆か?!と、邪推しました。
毛氈鞍覆は、守護(国主)級の者にしか使用が許されない、言わば“権力の象徴”であり、行列が高位高官のモノとなればなおのこと。
注文主が、信長(と、付属)する俗説よりも、室町殿義輝公とした方が、謙信公の視点から観ても、はるかにワクワクドキドキと興奮します。
米沢の上杉神社稽照殿で、毛氈鞍覆を観ましたが、その時と同じくらいの興奮度です。
いや、解り辛いとは思いますが...
何せ、天下の公方様から「頼みとされた!」わけですから。
信長に一目置かれたことなどよりも、数倍,数十倍以上、誇らしく感じます!

さて、話は最初に戻って...
今日から1ヶ月は「坂の上の雲」ですね。
私の知り合い(先輩)も、カットされなければ出る予定ですし、秋田からの帰り、仙台の【利休】で番宣を観てから待ち遠しかったです。

そして来年は「龍馬伝」。
主役はちょっと、鼻につく演技がままみられるので概ね静観しつつ無視して、脇を固める人たち,例えば、香川照之(岩崎弥太郎)、大森南朋(武市半平太)、谷原章介(桂小五郎)などに注目したと・・・思います。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この企画展のカタログを (景虎むすめ)
2009-11-29 18:25:46
米沢の伝国の杜で売ってたとのことで、米沢の知り合いが購入、送ってくれました。
都合がつかず見にいけなかったので、ちょっとうれしかったっす。
ちなみに…250ページもありました^^
返信する
Unknown (坂東政景)
2009-11-29 22:45:16
これは見に行きたかったのですが
結局行かずじまいになってしまいましたね

米沢で見たのもあるのでというのもありましたが(苦笑)

「坂の上の雲」は正直天地人よりも面白かったですね
先輩は何話に出てくるのでしょう 目を皿のようにして見てます(笑)
返信する
ぶ、分厚い... (記主くない)
2009-12-01 01:58:19
▽景虎むすめ様
コメント、ありがとうございます。
カタログ、お持ちなんですか!?
ショップでサンプルを見た気がするんですけど...
そ、そんなにガッツリなんですか?!
う、嬉しい様な悲しい様な(^^ゞ
でも、それだけあると、注釈もしっかりしていて、観たのとほぼ同様の感動が得られるでしょうね。


観にいけなくとも嬉しいですよね。
返信する
次の機会に (記主くない)
2009-12-01 02:04:11
▽坂東政景様
コメント、ありがとうございます。
最初は、大河とのタイアップ企画か・・・と、あまり期待はしていなかったんですが、それが裏切られて、より嬉しかったです(笑)

洛中洛外図は、何度観てもいいですね♪

「坂の上の雲」。
録画もバッチリしましたよ。
いやぁ、海軍へ無理やり引き付けるところなんざは(苦笑)でしたが、この間までのに比べ・・・るのもおこがましいほど、よかったですね。
ちなみに、先輩は・・・5話に出ると、言っていたと・・・思います(^^ゞ
す、すいません。
返信する
Unknown (やまね)
2009-12-03 18:23:51
そんなに天地人けなさなくとも、、、、。たしかに、、、、だけど、、、。
まぁ観光客は一時のものだろうし、でも でも ごめんなさい 変なコメントで
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いえいえ (記主くない)
2009-12-05 00:58:56
▽やまね様
率直なコメント、ありがとうございます。
この間までの大河は、素材として、また、上杉贔屓な私にとって、大いに期待していただけに、落胆度が...。
いま、BSで「風林火山」を放送しているんですが、これを毎週見てしまうと余計に・・・なんです(^^ゞ

上越への観光、これを奇貨として欲しいです。
ちょっ、ちょっと米沢に比べると寂しいので。。。
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