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12.16 理科部のクワガタムシ その1

2011年12月19日 | 日記
12月16日(金)

  理科部では、珍しいクワガタムシを飼育しています。
 飼育する目的は「種の保存」と「生態の研究」と「貴重な昆虫を沢山の人に知ってもらう」ことです。
 現在、日本の様々な昆虫の存在が「環境の変化」により危ぶまれています。
 一部マニアの乱獲という見方もあります。
 たとえば、湿地性の蝶などは湿地に対する依存性が高く、動きも鈍いものです。
 そのために、毎日蝶の発生している湿地に蝶を採りに行くと、数年間でその
 湿地からは蝶の姿が見られなくなります。
  理科部の先輩から聞くところによると、名古屋市内でも10年前にはまだ湿地の蝶がいたのに、
 今はまったく見かけないそうです。
  それは、湿地自体がなくなっているからだそうです。

  湿地がところどころに残っていたならば、蝶は飛ぶことが出来るので、生き残っていたはずです。
 そう考えると、環境の変化は「種の保存」にとって大きな影響があることがわかります。

  今の日本を見ていると、開発をしやすいところから人間のために自然を破壊しているように感じます。
 開発されてしまう場所にも珍しい生き物たちは生きているのです。
 私たち理科部は生きる環境が少なくなってしまった珍しい昆虫を育てて殖やし、保護していきたいと考えています。

 その1 「ミヤマクワガタムシ」

  ミヤマクワガタは、山の少し深い場所にはどこにでもいたクワガタムシです。
 名古屋市内でも、守山区に多く生息していたクワガタムシです。
 しかし、守山区のミヤマクワガタの大発生地は近年開発されて木もなくなりました。
 私たちは、何とか名古屋市内のミヤマクワガタを残したいと考えています。
 飼育の技術を高めることが必要だと考え、ミヤマクワガタがたくさん生息している長野県で捕獲したミヤマクワガタを飼育することにしたのです。
  理科部は、以前から比較的飼育の簡単なクワガタムシを飼育していました。
 そのノウハウを生かし、さらに飼育技術を高めながら、名古屋市内のミヤマクワガタも探したいと思っています。

 
 これがミヤマクワガタのオスです。
 このオスとメスを交尾させて卵をとりました。
 メスは、卵を産ませたので、死んでしまいました。

 
 ミヤマクワガタの2齢幼虫です。
 まだまだ小さいのですが、大きく育てたいです。

 
 プリンカップから取り出した幼虫です。
 マットは、二次発酵マットをミキサーで細かくして、ふるいにかけたものを与えています。
 なぜかというと、自然界ではミヤマクワガタの幼虫は大きな木の根のあたりにすんでいて、
 腐葉土や腐った根を食べているからです。
 腐葉土自体はあまり栄養価の高いものではありません。
 したがって、腐った根がミヤマクワガタの幼虫の主食であると考えました。
 腐った根を山で観察すると、土の中なので地面より上にある腐った木とは違い、じめじめしています。
 さらに触るとぼろぼろと崩れて落ちます。
 この状態を人工的に作ればいいのだと思い、マットを作りました。

 
 顔はこのような形をしています。
 あごの形に特徴があります。硬い木を食べるクワガタムシの幼虫と比較するといいのですが、
 現在理科部では飼育していないので、あごの違いや腹の形などは図鑑で比べてみてください。

 
 プリンカップを置いてある場所は、廊下の日のあたらない場所です。
 それは、ミヤマクワガタが寒さに強く、暑さに弱いからです。
 自然の山の中の環境に出来るだけ近づけようとすると置く場所も決まるのです。
 このようにして、できるだけたくさんの成虫を羽化させたいと思っています。
 成虫になるのは2年後です。     理科部一同
 

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