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炭酸飲料にふくまれる気体の量(感想入り)

2011年05月07日 | 日記
5月6日(金)

 炭酸飲料とは、二酸化炭素をジュースに溶かしたものです。今日は、2種類のメーカーのコーラ(炭酸飲料)にどれくらいの二酸化炭素がふくまれているのかを確認してみたいと思います。

【準備】

 丸型水槽(2)、ガラス管付きゴム栓(2)、500mlメスシリンダー(2)、500mlビーカー(2)、マッチ(2)、素焼き板(2)、三脚(2)、ガスバーナー(2)、ペットボトル入りの炭酸飲料(2種類)

【方法】

 1.500mlビーカーの中に水を適当に入れてガスバーナーで加熱する。

 2.丸型水槽に3分の2ほど水を入れて、500mlメスシリンダーの中に水を入れて丸型水槽の水の中に沈める。このときにメスシリンダーの中に空気が入らないように注意する。

 3.500mlビーカーの中の水が沸騰したら、三脚からビーカーごとはずし、その中にガラス管付きゴム管付きゴム栓をつないだ炭酸飲料のペットボトルを入れる。

 4.ペットボトルからつながれたガラス管を丸型水槽の中のメスシリンダーにつなぐ。

 5.メスシリンダーに入ってきた気体の体積をはかる。
   ただし、メスシリンダーいっぱいに気体が集まる前に、次のメスシリンダーに変える。

 6.メスシリンダーに入った気体の体積をはかる。
   メスシリンダーの気体に水を入れて、激しく振り、石灰水を加え、気体の正体が二酸化炭素であることを確認する。


 今日、中に含まれる気体の量を確かめる炭酸飲料です。2つのメーカーのものを準備しました。


 まずは、ガラス管をガスバーナーの火で熱し、ガラス管を曲げます。


 ゆっくりと加熱します。


 少しずつ曲げているところです。


 ガラス管を切った後で、切り口も加熱し、けがをしないように丸めます。


 このように、熱します。


 完成したガラス管ももう一度加熱して管の角を取ります。


 できあがったガラス管です。一人1本は作りました。


 一方で、500mlビーカーに水を入れて沸騰させます。
 この時は、水が沸騰したらすぐに火から離すため、沸騰石を入れません。


 500mlビーカーの中の水が沸騰してきました。


 炭酸飲料から出てきた気体を集めるために、丸型水槽に水を入れて準備します。


 丸型水槽の中に500mlメスシリンダーを入れます。


 このように、500mlメスシリンダーに空気が入らないようにして慎重に丸型水槽の中に入れます。


 入れた500mlメスシリンダーはこのように立てておくと便利です。


 2本目のメスシリンダーを丸型水槽に入れます。


 2本目も丸型水槽の中で立てておきます。


 ペットボトルの中の気体は、このようにして集めます。
 500mlメスシリンダーの中の水と、発生した気体が「置き換わる」ので、「水上置換法」といいます。


 ゴム栓とガラス管の密着度がよくなかったため、このままでは外に少し気体が漏れる可能性があります。
 そこで、しっかりと手で押さえます。
 

 気体が500ml集まったら、次のメスシリンダーに取り替えます。


 ゴム栓とガラス管の密着度がよくなかったのは、コルクボーラー(ゴム栓に穴をあけるもの)が、ガラス管の直径に合うものがなかったからです。
 急きょ、内田先生がドリルで穴を開けてくれました。


 このように、ゴム栓を固定して、穴を開けます。
 まっすぐ穴を開けるためです。


 しっかりと穴が空いたのを確認するために、何回かドリルを上下します。


 ゴム栓とゴム管とガラス管をつなげます。
 

 これで完成です。


 コーラから発生する気体がほぼなくなってきました。
 

 これで最後の気体の収集です。
 合計で298mlでした。ほぼ炭酸飲料と同じくらいの体積の気体が溶けていたことになります。
 どちらのペットボトルも80度以上のお湯で実験しました。


 次は500mlペットボトルの別メーカーのコーラで実験してみます。


 水上置換法のセット完了です。


 一本目の500mlメスシリンダーを丸型水槽の中に入れます。


 どんどん集まっていきます。300mlペットボトルの時よりも気体の発生の仕方が激しいです。


 部活動が終わる時間が迫ってきたため、効率よく気体を発生させることになりました。
 そこで、ゆるやかに加熱することにしました。
 すると、丸型水槽の位置関係がよくないので、バケツを裏返しにして、丸型水槽を置くことにしました。


 丸型水槽をセットしたところです。


 丸型水槽の中に500mlメスシリンダーを入れます。


 さて、気体を集め直します。


 何人かで協力して気体を集めます。
 メスシリンダーを入れる人、記録する人、実験する人・・・等です。


 気体を集めている間に、両メーカーのコーラから出てきた気体の正体を確認します。
 集めた気体と水を激しく振って混ぜます。そこに石灰水を入れます。


 石灰水を入れた結果、両方のコーラから出てきた気体は二酸化炭素であることが分かりました。


 気体の発生が遅くなりました。それと同時に、ペットボトル内のコーラが少し丸型水槽の中の水に入ってきました。
 コーラ自体は液体です。気体を集める実験なのでそのまま実験を続けます。


 コーラから出てくる二酸化炭素は少しずつではありますが、まだまだ出てきます。


 念のために、300mlペットボトルも同じように加熱をして、出てくる気体を集めました。


 ほぼ、二酸化炭素の発生もなくなりました。
 実験を終わらせるために、500mlペットボトルを取り出したところ、なんとペットボトル自体の大きさが変化しているのに気づきました。


 同じペットボトルがなかったため、別の500mlペットボトルを用意しましたが、明らかに小さくなっていることが分かります。
 これは、加熱をしたため、ペットボトルを作っているプラスチックが熱によって縮んだということです。

 最終的に、300mlペットボトルの中に含まれる二酸化炭素は293mlで、500mlペットボトルの中に含まれる二酸化炭素は956mlであることがわかりました。
 
 【考察】

 ・炭酸飲料の中には思ったよりもたくさんの二酸化炭素が溶けていることがわかりました。
 ・300mlペットボトルと500mlペットボトルに含まれる二酸化炭素の量の割合が、500mlペットボトルのほうがたくさんの量の二酸化炭素が含まれていることがわかりました。しかし、会社による違いなのか、ペットボトルの容量の違いからくるものなのかは、この実験では確認できませんでした。
 ・次に実験するときは、同じ会社で比較しようと思いました。

 【感想】

 ・炭酸飲料に、あれほどの二酸化炭素がふくまれているとはビックリしました。
  これからは、炭酸飲料も少し飲むのを控えた方が良いと思いました。[高2]

 ・コーラの500mlペットボトルの中に、容量の二倍近い二酸化炭素がふくまれていることに驚きました。[高2、その他大勢]

 ・500mlペットボトルが実験後は大きさが変化して、スリムになったのがとても印象的でした。また、そのペットボトルを触ると、堅くなっていたのもビックリしました。[中1]

 ・今回の実験は、僕が提案したものです。「たったそれだけ」といった実験ですが、確認してみることが大切だと思い、計画を立てました。
  僕の予想では、炭酸飲料の中にふくまれる気体と液体の割合は1対1くらいの予想でしたが、思っていたよりも2倍近く二酸化炭素がふくまれていることに驚きました。
  炭酸飲料は、スポーツ選手にはよくないと言われていました。しかし、こういう実験を通して、数字で表されると実感がわきました。[高2]

 ・僕は、炭酸がなくなったコーラを実際に飲んでみました。
  すると、とても温かくて変な味だったのですが、あれだけ二酸化炭素が抜けたはずなのに、少し炭酸が残っていて、驚きました。
  完全に二酸化炭素を抜くためには、もっと時間を必要とするのだと思いました。
  また、完全に二酸化炭素を抜いたら、いったいどれだけの二酸化炭素がふくまれるのか、一度確認してみたいと思いました。[高2]

 ・炭酸飲料の中にふくまれる二酸化炭素の量がかなり多いことに驚きました。あんな小さなペットボトルの中に容量の二倍ほどの気体を溶かすということは、その気体の圧力に耐えられるペットボトルの丈夫さにも驚きました。
  うまく作っているのだと感心しました。
  こういった実験は初めてでしたが、自分だけでは到底やろうとも思わないような実験だったので、とても楽しかったです。[中1]

 











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