尊敬してやまないヴォーカリスト達（トータス松本）

＜vocalist file #9：トータス松本＞

このコーナー、久々に書いてみようかと思いました。

今回の、私が尊敬してやまないヴォーカリストは、
皆様よくご存知、ウルフルズのトータス松本です。

私は昔は、あまり彼のことを好きではなかったのですが、
最近のトータスの歌が大好きです。
なんかこう、歌に大人の男の色気がにじみ出た感じが
とてもステキだと思います。

ウルフルズは、初期の頃から確信犯的に、コテコテなビジュアルと
古くてダサい感じのアレンジのコミカルな楽曲を演っていて、
「ガッツだぜ」でブレイクしたときには、イロモノ系と思われ、
正当な評価を受けていない頃もありましたよね。

その後、「バンザイ」でまともな曲も演るバンドなんだ、と
高い評価も受けましたが、基本的には、その後も、ノーテンキで
ゆるーいイメージが定着してしまった感がありました。

私も、その頃はそんなにウルフルズが好きではなかったので、
彼のヴォーカルを気に留めることもありませんでした。
しかし、そんな彼のヴォーカルを見直すきっかけとなったのが、
「明日があるさ」のカバーでした。

明日があるさ 青島幸男, 福里真一, ウルフルズ, 藤井丈司 東芝EMI この曲を歌うトータスにシビれました

最初にこの曲のカバーをやると知ったときには、どうせ彼ら特有の古臭い
ダサ路線からのチョイスで、半分オチャラケなんだろうと思っていた
のですが、実際に彼らがライブで演っている姿を観てみると、
真剣にこの曲と向き合っていて、そこに彼らのソウルを感じたのです。
当時の彼らはベースの、ジョンBチョッパーが脱退して、バンドとしての
勢いもやや下がり気味だった時期なので、私はこの曲の歌詞と彼らの
境遇を重ねて聴いて、余計にシリアスに受け取っていたのかもしれません。

この頃から、私はトータスの歌のチカラに目覚め、
そのエネルギッシュでソウルフルな歌声に込められた、
人生における悲哀・嬉しさ・苦悩・幸せなどを感じられるようになりました。

ええねん ウルフルズ 東芝EMI 必殺の全肯定ソング！

そして、ジョンBチョッパーが復帰してからは、かつての勢いを
取り戻し、昔のような若さ任せではない、心に沁みる曲を連発して
くれていますね。今、一番彼らは脂がのっていると思います。

とにかく、トータスのヴォーカルは、歌も上手なんだけれども、
それ以上に深い味わいのあるところが魅力だと思います。
エネルギッシュなのに、肩の力が抜けている、
全部さらけだしてダサいんだけど、カッコイイ。
そんなトータスはすごいヴォーカリストだと思います。


●トータス松本のヴォーカルを堪能するオススメ曲

iTunes Music Storeで限定配信されていた「ぼくのもの」が
最近のお気に入りです。アルバム『YOU』にも入っています。

YOU ウルフルズ 東芝EMI 「バンザイ」ほど豪快じゃないけど、 直球のラブソング

「何やかんや言って、何やかんやあって、
　何べんも泣いて、何年も経って
　何ちゅーか、何ちゅーの、
　何十年もずっとずっとずっとふたり」

演奏陣による力の抜けたコーラスパートで、延々と繰り返される
このフレーズが、心に沁みます。すごくハートが温かくなる歌です。
ぜひ聴いてみてください。

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