その2。
またまたフィルムの値上げ。
需要と供給のバランスとは怖いもので、とうとうフィルムで撮る写真家は絶滅しそうな値上げぶり。
去年大幅値上げしたばかりなので少し油断していた。
ところが早くもまさかの再度大幅値上げとは!!
去年の値上げ前にまとめ買いしたフィルムが底をつきないうちに、急遽補充しなくてはならなくなった。
残念なことにまもなくフィルムカメラは鑑賞用でしかなくなってしまう。
なぜこんなにもフィルムの良さがわからない世の中になってしまったのか?!
「モノ」であることの価値を考えてほしい。
モノとしての写真ではなく、どこからか拾ってこれてしまう「画像」に価値はあるか?
さらに拾ってきた画像をプリントすることもなく、ただパソコンやスマホに保存されているだけの画像は価値などあるのか?
それらはただなんとなく放置されているだけではないのか?
オリジナルであるプリントの色や階調、濃淡、紙の質感などすべてがオリジナルの作品を構成する要素。
絵画もそうだけど写真にも美しいと感じるプリントがある。
写真どうこうの要素にプラスしてプリントの美しさ、紙として存在することのリアル。
東日本大震災のときに泥まみれで救われた思い出たちは、データとしての画像ではなく紙(プリント)としての写真だったことをみんなすっかり忘れてしまったのだろうか?
データとしての画像は紙やネガとしての写真よりも強度や価値やリアルがあるということ。
長く使い込めるモノとしてのフィルムカメラも然り。
家の冷蔵庫に入りきらない手持ちの在庫の3種類のフィルムで撮れるのはおよそ1年半。
それがなくなったらフィルムで撮るのは辞めるかも知れない。
今回のメーカーの値上げ決定は、自分にはショックを通り越して世界中の人々の価値観を疑わなくてはいけない事件となった。
そして恨みます。
フィルムの良さ、フィルムカメラのモノとしての素晴らしさ、印画紙に焼かれたプリントの美しさを伝えきれずに、こんなにも早くフィルム(アナログ)写真を絶滅の危機に追いやったカメラマン、写真愛好家の先人たちを。
言いたいことはまだまだあるけど、ここで熱弁したって何もかわらないので、今日再び買いだめしたフィルムと一緒に家に帰ります。