MARUMUSHI

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『アズミ・ハルコは行方不明』。

2016-12-29 23:14:51 | 映画日記
『アズミ・ハルコは行方不明』を観てきた。

1つの作品なのに、まるでオムニバスを観ているような気持ちになる。
情報が断片的で、時間がフラフラと動く。既視感に振り回される。

登場人物全員がイラッとくる。
まるで「真剣10代しゃべり場」を観てるときの感覚。
誰も彼もが正論を言っていて、それをぶつけ合っているように見えて、どこか空気を読んで日和ってて、誰も嫌われようとしない。
正論とは自己肯定であり、自分を正当化して守るための言い訳。
正論と詭弁。これを使い分ければどんな論議にだって勝てる。
子供の頃に巧く生きられた子供は、大人になってもそれなりに巧く生きていける。
子供の頃を下手に生きた子供は、一生をヒーヒーいいながら生きていく。
「しゃべり場」なんかより、SEXのやり方でも教えたほうがずっといい。

安曇春子は行方不明になり、バカどもがアートと称する落書きで街中にその顔を刻まれた瞬間から、アズミ・ハルコとして1つのアイコンになった。
空っぽのアイコン。だから、勝手に幸せのお守りにされてしまったりする。
行方不明になった女たちを解き放つシグナル。
アズミ・ハルコがアイコンとして力を持つのは、空っぽのアイコンを空っぽにしたときだけ。
正論と詭弁。
これに勝るのは本音だけ。思想も何もない空っぽの感情。
あとは早漏クンとアバズレちゃんとの交尾があれば向かう所、敵なしだ。
言葉とSEXと鉄バットがあれば、大抵の問題は解決できる。

ところで安曇春子はアズミ・ハルコなんだろうか?
いや、アズミ・ハルコは誰なんだろうか?
子供を抱きながら穏やかな笑顔を浮かべるあの女は、アズミ・ハルコ?それとも安曇春子?


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