MARUMUSHI

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『リズと青い鳥』。

2018-04-22 21:14:01 | 映画日記
#リズと青い鳥
『リズと青い鳥』を観てきた。

完全に対等な人間の関係があるだろうか。
明るくて闊達な希美。ポニーテールを文字どおり馬の尾のように左右に振り、制靴の音高くハキハキと歩く。
おとなしく引込み思案なみぞれ。長い綺麗な髪を揺らすことなく、足音は一歩ずつ足元を確認するようなおぼつかない感じを残す。
二人は親友。大好きで大切。
でも、対等じゃない。一緒じゃない。

リズは、もっと広い世界を見て、とそばにいてくれた青い鳥を籠から逃がす。
リズは青い鳥が大好きだったから。
青い鳥は、リズと一緒にいたいと願うが、リズの言葉に籠から飛び立つ。
青い鳥はリズが大好きだったから。
互いに大好きで大切。

二人は対等じゃない。二人ともリズでも青い鳥でもない。
希美は希美の、みぞれはみぞれの、リズと青い鳥を抱えている。
リズと青い鳥は、人の魂の中に同棲しているのだと思う。
皆、誰かのリズであり、青い鳥でもある。
だから、人に対等という関係はないのだと思う。それが良いわけでも悪いわけでもない。
でも、それを知りそれでも互いが大好きならばそれは最強の親友だ。
みぞれにとって希美は、自分を一番知り、守ってくれた存在。
希美にとってみぞれは、自分を一番知り、愛してくれた存在。
そして、互いに自分の限界を超えさせてくれた存在。

夕焼けの帰り道。
二人の制靴の音は違う音を立てているが、そこには調和がある。
希美のフルートとみぞれのオーボエ。圧倒的な技術の差がある二人。それでも演奏会は成功するだろう。二人のリズと青い鳥が彼女たちの魂を一つにするだろうから。




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