MARUMUSHI

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『明日への遺言』。

2008-03-06 23:07:02 | 映画日記
『明日への遺言』を見てきた。
もう、一昨日の事やけど。。。

主人公は藤田まこと扮する岡田資 中将。
史実上の人物であり、戦後B級戦犯として裁判にかけられていた。
彼は、戦中に米軍捕虜を斬首刑に処していた。
斬首された米軍兵は名古屋での絨毯爆撃を行った者たちだった。
裁判の争点は、略式裁判を裁判として認めるか否か、殺された米軍兵は戦争犯罪者ではなかったかそうでないか、の二点。
岡田中将は、この戦犯裁判を「法戦」と名づけ、法廷の場で戦いはじめる。

絨毯爆撃のように、民間人を巻き込む戦闘方法は、国際法上では認められていない。
米軍の空襲は、明らかに民間人を対象とした攻撃方法だと思う。
いつも思うのだが、アメリカが日本本土に仕掛けた攻撃の多くは戦争ではなく、ただの殺戮だと思う。
岡田中将もそう感じていたんじゃないだろうか?
絨毯爆撃も原子爆弾も、「戦争を早期終結させるための手段」という意見もあるけれど。。。

岡田資 中将の凄い所は、自分の罪に対して減刑するために法廷で戦ったのではなく、自分の部下を守るためと、自分がかけられている裁判を、勝者が敗者を裁くただの政治裁判にするのではなく、戦時中に、自分達の身に何が起こっていたか、を明らかにすることに尽力した点だと思う。そして、裁判官、検事、弁護人たちまでも彼の意思に巻き込んでいったことだと思う。
裁判官は岡田中将に、こう尋ねている「捕虜に対する報復行為は禁じられているが、捕虜が明らかな戦争犯罪を行ったと認められる場合には報復が認められる。あなたは、捕虜に対し、報復を行ったのですね?」と。
岡田中将は「いえ、違います。私は彼らに処罰をしたのです。報復ではありません」と答えている。
ここで、「そうです、報復をおこなったのです」と答えれば、岡田中将の減刑が大いに考えられたと思う。しかし、彼は「処罰をしたのだ」と答えている。
彼は、彼が斬首を命じて殺した米兵捕虜に対して、責任を取ろうとしていたんじゃないだろうか?
どんな理由があったにせよ、彼は人を殺し、殺すことを命じているのだから。
岡田中将には、絞首刑が下り、彼の部下は全員死刑を免れた。
このことに彼は満足であったのだろうと思う。

こんな日本人が昔はいたんだなぁ、と思ってしまう。岡田資に比べれば、今の日本人は何となく小さく見える。。。


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