MARUMUSHI

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『燐寸少女』。

2016-05-29 08:36:34 | 映画日記
#燐寸少女

『燐寸少女』観てきた。
心の奥を、内側からカリカリと引っかかれるような感じがする作品。
お伽噺は現実から生まれる。この内側からのカリカリは僕の中にあるものだろう。

「願望と妄想は違います」
“何かをしたいなぁ”と、“何かだったらなぁ”はたしかに違う。作品を観ながら、ちがいはなんだろう?と思っていたけど違う。
願望は文字通り、願い。深慮で重い。
妄想は思いつき。浅慮で我侭、身勝手。
願望には限りが有り、妄想は限りが無い。
妄想は、自分のことも分からず、周囲のことも知らず、誰も救えない。
でも、自分を知り、次の可能性を開くきっかけにもなる。


ずっとあの日に居られれば良いのに。
彼女が、スカートをヒラヒラと舞わせながら、階段を上っていく。
紅色。東京タワー、その階段、彼女のスカート。
そして夕日も。
「東京オリンピックって何年後だっけ?」
「この先が見られないのは、もったいないよ」
浅慮な妄想を覚ましたのは、彼女の願い。

妄想は覚めるもの。
願望は叶えるもの。
終わりの形が違う。

人は冷酷、愚かで、醜くい。でも、優しく、美しく、愛おしい。


燐寸少女のリン。
妄想燐寸を与え、一年の寿命を代価とする。
彼女は、どんな終わりを迎える妄想でも少し哀しさを帯びた笑顔でそれを見る。
彼女はどこから来たんだろう。
彼女は、誰の妄想の副作用なんだろう?




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