MARUMUSHI

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『言の葉の庭』。

2016-10-06 23:58:01 | 映画日記
『言の葉の庭』を観てきた。

大津アレックスシネマの「『君の名は。』を上映したかったのに出来なかったので、過去作品を上映してやる」という企画。

『君の名は。』と同じ世界の話で、前日譚ではないけれど連続した物語、ということになっていたりなっていなかったり。

靴職人になりたい男子高校生と、人生に迷っている女性のお話。
恋というには少し稚拙で、愛というには十分足りる。
なんだかとても切ない話。

歳を食う、という意味で大人になるのは簡単だ。時間が経てばそれだけで出来上がる。
だけど、時間が経てば色々と悩みが出来る、その悩みは時に夢を潰す。
夢を抱えているという分だけ、高校生は前向きで大人なのかもしれない。


雨の匂いというのが分るだろうか?
土の匂いというか、それを感じただけでも雨が降っていると分る匂い。
憂いを含んだあの匂い。
あの匂いは”ジェオスミン”という物質が作っている。
実は、これは、一昔前にあちこちで感じられた水道水に不快な”かび臭さ”を付ける原因になる物質なのだ。
不思議な話で、感じる場所で同じ物質の快・不快がさっぱり異なる。
同じ事柄でも角度が変えれば、それは悪くはないことなのかもしれない。


『君の名は。』の時間で、高校生は靴職人になれているのだろうか?
女性は、素敵な大人になれているだろうか?
あのときの雨の匂いを、快と感じているだろうか?不快と感じているだろうか?

少なくともいえるのは、雨のたびに彼らは互いのことを思い出している。
その瞬間は、彼らにとってかけがえのない幸せの時間だったのだから。


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