MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『CYBORG 009 CALL OF JUSTICE 終章』。

2016-12-10 22:44:23 | 映画日記
『CYBORG 009 CALL OF JUSTICE 終章』を観てきた。

迷う内容。
石ノ森章太郎が書ききれなかった『天使編』の一つの解釈なのかもしれない。

人類は間違った方向に進んでいるんだろうか?
奪い合い、殺し合う。
それは決して戦争だけの話じゃない。日常の中でも起こっていることだ。気づいていないだけで。
人は大抵の場合、与える側に立つことはない。
人は大抵の場合、奪う側に立っている。
それは、自分を守るため。大切な人を守るため。
これは、間違った進化なのか?
神という存在がいたとして、彼らが人類を観察し、その成長を見届けていたとしたら「失敗作だ」と判断するだろうか?そしてリセットをかけようとするだろうか?
そのリセットに抗う、人類を愚かと笑うだろうか。

00ナンバーサイボーグは人間ではない。迷う魂を持ったロボットだ。
まさに超人的な力を持ちながら、その力をどう使うかを常に迷い続けている。
人間よりは神に近い存在。迷いはある。ただ、自分たちが人類を守るために戦う使命を背負っていることだけは忘れていない。
たった9人しかいない仲間たち。孤独の中、更に孤独な世界にいる009。
加速装置の発動中、クロックアップされた彼の脳は誰にも見えない世界を、時間を見続けている。
何千倍にも引き伸ばされた時間の中、それでも彼は人類を守る使命を持ち続ける。
神でさえ経験したことのない無窮の時間の中で使命を果たす。究極に加速された事象の彼方で、彼は神に背く。間違った進化を遂げているかもしれない人類を守る。
ブレスドが正しかったのか、00ナンバーサイボーグが正しかったのかそれは容易に答えが出る問題ではないだろう。

皮肉なことだが、この戦いの功績が認められ、イガラシは昇進し、組織の統率を任されることになる。組織がいかに弱く、間違った方向に進めば取り返しはつかない。軍隊というのはそういう組織だ。だが、正しく導けば多くの人を守ることができる組織だ。
「荷が重いが、やってみるよ」
彼は背負う。00ナンバーサイボーグが背負っていた重荷を、彼に出来る限り背負う。
人類は間違った方向に進んでいるかもしれない。ただ、まだ間違った答えにたどり着いたわけではない。

00ナンバーサイボーグ。
彼らは、人類が生み出した幻想であり希望だ。だから、人が彼らの存在を望み続ける限り、彼らはやってくる。

サイボーグ戦士
誰がために戦う




2016年12月09日のつぶやき

2016-12-10 00:00:00 | twitter