MARUMUSHI

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『にがくてあまい』。

2016-09-12 21:05:03 | 映画日記
#にがくてあまい
#にがあま

『にがくてあまい』を観てきた。

温かいスープみたいな映画。
でも、とても怖い話。

食べるってことは とても大切で幸せで そして、とても怖いことなのよ
CLAMP/xxxHOLiCより

大抵の人は、晴耕雨読な生活なんてやっていられない。まず、土地がないし、時間もない。
だから、どうしてもレトルト、サプリメントに頼っていくことになる。
身体に悪い、と言われればそれも正しい。
でも、レトルト食生活が悪いことだとは思わない。
無農薬を出来るだけ好んで食べる人がいる。僕はこれを悪いことだと思う。
江戸時代の日本人口は諸説あるけれどだいたい1000万人程度だ。その1000万人でも飢饉が何度もおきている。
今の日本人口は1億人以上。農薬、化学肥料がなければ社会は破綻する。膨大な人間が餓死し、あちこちで食料を求めて暴動が起こるだろう。
農薬、化学肥料、レトルト、サプリメントはもうなくてはならない物だ。

料理には作った人の心があらわれる。という事を聞いたことがある。「愛情が一番の調味料」なんていうのが、象徴的なんだろうか。
レトルト食品やファミレスでは作り手の顔がまるで見えない。誰が作ったかわからない、どんな心持で作ったかわからないものを口に入れる。それはとても恐ろしいことだと思う。
無農薬でなくても化学肥料を使っていても、作った人の顔が見えるというのはとても大事なことなんだろう。

渚という男はそのことを知っているのだ。だから料理を作る。料理に人の気持ちが現れるなら、自分で作った料理には自分の気持ちがでている。
マキは渚の料理を通して、家族の気持ちを知った。食材から父の本音を知った。

渚はゲイで、マキはノンケ。恋愛感情はないけれど相思相愛。
ピリッとした緊張関係。でも、とても幸せな関係。
そう、彼ら2人の関係は、にがくてあまい。