MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『マイレージ、マイライフ(Up in the Air)』。

2010-03-20 22:53:26 | 映画日記
『マイレージ、マイライフ(Up in the Air)』を観てきた。


男女間の軽妙なやり取りが凄く面白い映画。
近くの映画館で上映されていたら、是非見てほしい。


一年のほとんどを出張で過ごすリストラ宣告人の男の話。
身軽でいること。
それが彼の哲学。
スーツケースは出来るだけ軽く。
もっとも重い荷物である人との関係は紳士的に、かつドライに。
けれど、彼は人の心をよく理解し、それを汲み取り行動できる優しい男なのだ。
だからこそ、リストラ宣告人などという、過酷で嫌な役をしっかりとこなしていくことが出来る。
彼はずっとそうやって生きてきた。けれど、二人の女性と妹の結婚を契機に少しずつ、これまでの哲学に疑問を抱き始める。



基本的に俺は週末は独りで過ごす。
誰かとどこかに遊びに行ったりとかは全然しない。
そして、よく人混みの中を歩く。人混みの中を歩くと、不思議な気分になる。
周りは人・ひと・ヒト。なのに、俺は決定的に独りだ。
相矛盾する感覚。
映画の中の彼は、きっとこの感覚に何か違和感を持ったんじゃないだろうか?


映画の終わり方は、主人公の彼にとって残酷で悲しい終わり方になっている。
しかも、変わり始めた彼の周りの環境も結局大して変わらず、相変わらず飛行機で世界中を飛び回る毎日だ。
けれど、彼は拗ねたりしない。自分を卑下したりもしない。
むしろ、もっと優しく、紳士的になっている。
惨めな経験をしてしまった彼を、俺はカッコいいと思うのだ。





旅をするときの荷物は軽いほうが良い。
けれど、余計なものも少しは入れておくことをお奨めする。
そうしないと、みんなの荷物と見分けがつかなくなるから。


『シャーロック・ホームズ』。

2010-03-20 22:42:09 | 映画日記
『シャーロック・ホームズ』を観てきた。

シャーロック・ホームズと言えば、これまで沢山の映像化作品があるけれど、その中では異色になるんじゃないかな?
まず、シャーロック・ホームズシリーズは推理物のはずやけど、この映画は思いっきりアクション映画。
だから、推理要素も結構しっかりしてるけれども、頭を使ってみる作品じゃないように作られてる。

で、なんといっても、コナン・ドイルの本来の設計図に一番近いホームズ像になってる(と思う)。
ホームズは、冷静沈着に推理を進めるタイプじゃない。
天才的な直感と異常なまでの観察力と記憶力、エキセントリックな性格。
これらを包括的に駆使することで事件を解決していく。それがホームズ式なような気がする。
彼はおそらく多動性障害を患っているような人物だったんじゃないか?と想像。。。

後は、ホームズとワトソンの微妙な間柄を、ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウが上手く再現してると思う。
(*^m^*) ムフッ


とりあえず、映画館行って観るものがなければこれ観とけば、絶対ダイジョウブ。


『フィリップ、君を愛してる!』。

2010-03-20 00:25:33 | 映画日記
『フィリップ、君を愛してる!』を観てきた。

えー、一言で言うと、ゲイのラブストーリー。



同性愛というのは、昔っからあることやけれど、今でもやっぱりアンタッチャブルな領域。
女性が女性を、男性が男性を愛する。
「別に良いやんか」っていうのが、俺の意見やけれど、内心そういう人たちに対しては、やっぱり何かしら抵抗があるのも事実。
「男同士はアリだと思うけど、女同士は気持ち悪い」ということを言う女友達(異性愛者だと思う)がいる。
たぶんやけど、女の子はそういう考えが多いんやと思う。
けど、男の俺から言わせると、
女同士はキャ-----(*゚∀゚*)-----ン!!!!という感じやけど、
男同士は (;´Д`)ゲロゲロと言う感じなのだ。 これは異性愛者の男一般的な傾向やと思うけど。
なかなか面白い対比やと思うな。
いずれにしても、同性愛者に対する抵抗感と冷酷なまでの無邪気な好奇心とが彼ら、”セクシャルマイノリティー”を差別するところまで行ってしまうこともあるんやろう。
元女子マラソン選手の有森裕子さんの旦那さん、ガブリエル・ウィルソンさんがテレビの前で自分がゲイであるということを告白する時、いったいどれほどの葛藤があり、好奇の目に晒される屈辱があったんだろうか?
本来、そんなことをする必要はない。自分がどういう恋愛嗜好を持っているかなんておおっぴらにする必要なんて全くないのに。

映画の中で主人公は刑務所で出会った愛する男のために、脱獄を繰り返す。
自分が自由になりたいんじゃなくて、愛する彼のため、彼に思いを伝えたいがための命がけの行動だ。
挙句の果てには脱獄を繰り返したために、懲役が160年を超え、さらにそれでも脱獄を繰り返したために終身刑にされてしまう。
恋愛に対してどんな嗜好を持っていようと、ここまで他者を愛することが出来るっていうのは、呆れると同時に尊敬の念を抱いてしまう。



一人の人間をそこまで愛することが出来る彼を、正直、羨ましいと俺は思うのだ。